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トランコム、求貨求車の効率向上へBIツール導入

2015年6月30日 (火)

サービス・商品トランコムは、トラックの空車情報と荷主の貨物情報のマッチング精度向上や業務効率化のためのBIツールとして、ウイングアーク1stの情報活用ダッシュボード「モーションボード」を導入した。

同社では2013年以降、貨物情報より空車情報の方が多いという、それ以前とは逆転した減少が生じたことから、空車情報をより正確に把握し、トラックを1台でも多く確保することが必要となり、徹底的な現状分析を実施。

この結果、空車情報のピーク時間と貨物情報のピーク時間の需要と供給のタイミングにズレがあること、社員の負荷が午前中に集中していたことが判明。

これを受けて、何を改善すべきか徹底的に調査し、経営的視点のKPIと業務現場のKPIを多層的に表現した「営業利益分解図」を作成。重なる視点と切り分ける視点を明確にした営業利益分解図をもとに、わかりやすく、誰もが簡単に扱えるシステムの構築を目指し、BIツールの導入と活用を検討した結果、モーションボードの採用を決め、3か月でシステムを構築した。

全従業員がアクセスするモーションボードで構築された新システムでは集計、ユーティリティ、分析の3つに分類し、実績集計の画面では、累計実績と目標に対する着地が簡単に把握できるよう、目標数値の見える化を実現した。

また、自己スキルや実績の分析、計画を実施する際にもBIツールを利用し、個人実績集計が可能になった。自身の強み・弱みの把握や同じ部署のメンバーと比較し、スキルを向上させる際の目標を設定しやすくしたことで、「縁の下の力持ち」的なスタッフも評価できるようになったという。

この結果、組織としてのパフォーマンスが高まり、分析を強化したことでマッチングビジネスの成約率は前年比で20%向上した。

また、定着化への取り組みとして「荷主ごとの売上分析や貨物情報の曜日別・時間大別の分析の方法」といった目的別マニュアルを作成し、全国の拠点で説明会と利用普及を実施。

同社は今後、モーションボードの地図機能をベースにした「現場でのKPI」と「経営とのKPI」を可視化できる「戦略ボタン」を実装し、ビジュアルによるわかりやすい仕組みづくりを進めていく方針。

トランコムの加藤由貢氏(物流情報サービスグループ管理・システム担当マネージャー)は「昨日までの実績データを基に統計的に分析して未来予測し、営業に活用することが実現した。例えばセンター長は、成約数を増やしたければ過去実績を基に分析し、次のアクションである対策を考えて実行する。管理者は顧客の特性情報や、求貨情報と空車情報の量に適した従業員の時間配分になっているかを容易に把握できる」と導入効果を実感している。

■事例紹介
http://www.wingarc.com/product/usecase/detail.php?id=174