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北極海航路でコンテナ船の航行確認、商業利用開始か

2015年12月25日 (金)

ロジスティクス青森県は24日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国土技術政策総合研究所、北海道開発局との共同研究の一環として、北極海航路を7-11月に航行した船舶数の分析結果を公表した。衛星AISデータに基づく分析結果によると航行数は123隻で、このうち貨物船が86隻を占めた。

また、津軽海峡を航行した船舶は19隻あり、宗谷海峡を航行したものは30隻確認した。ロシア側で2014年には確認できなかったコンテナ船が2隻あった。英船舶情報調査会社のデータによると、それぞれ中国からスウェーデン、ドイツから韓国への航行だった。

青森県では、今回明らかになった最新の北極海航路の動向について「北極海航路の商業利用が始まっていることを示唆」しているとみており、「今後さらに利用が進展した場合には、津軽海峡が重要なエリアとなり得ることを裏付けるもの」との解釈を示した。

結果を受け、同県は共同研究の枠組みへの参加を継続しつつ「津軽海峡の可能性を検討していくための基礎資料として、最新の動向や知見を継続的に把握・蓄積していく」としている。

■三村申吾知事のコメント
2015年度は、北極海航路を航行した船舶のうち、津軽海峡を通過した船舶を少なくとも19航行確認することができた。これは最新の定量データが、津軽海峡の可能性を裏付けたということができる。

津軽海峡は北米と東アジアを結ぶコンテナ船の3割が集中しており、これに今回の共同研究で明らかとなった北極海航路航行船舶が津軽海峡を通過しているという事実を加えると、このエリアが、いかに地政学的に重要なエリアであるかを読み取ることができる。