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4か月で11件のドーロン事故発生、高速道に落下も

2016年4月13日 (水)

事件・事故国土交通省はこのほど、2015年度中に同省に報告があった無人航空機(ドローン)の事故をまとめた。ドローンに対応する改正航空法が施行された昨年12月10日以降、3月末までに11件の事故が報告されていたことがわかった。

まとめによると、11件の事故のうち航空法上の許可・承認が必要だったケースは6件で、このうち1件は許可を得ずに飛行させ、事故に至った。

あるNPO法人は徳島県小松島市付近の海上で昨年12月15日、プロペラ除く直径35センチ、最大離陸重量1.3キロのマルチコプターを撮影のために飛行させていた際、バッテリーエラーを示す表示があった後、海上で機体を見失った。操縦者の操縦経験は不明。

マルチコプターは水没したとみられ、負傷者や物件の被害はなかったが、国交省はNPO法人に墜落の原因分析を指示。機体の解析はできないものの、バッテリーの不具合が原因とみられる。

16年1月5日には、横浜市鶴見区の研究機関の施設屋上で、プロペラ除く直径35センチ、最大離陸重量1.3キロのマルチコプターが破損した状態で発見された。その後、ドローンはこの研究機関の研究員が前日に飛行させたものだったことが確認された。操縦者の操縦経験は30時間以上。

このケースは航空法の人口集中地区規定に基づく飛行許可が必要だったが、許可が取られず飛行させていたことから、国交省は同様事案が発生しないよう許可取得の徹底を指導するとともに、墜落の原因分析を指示。研究機関は職員に航空法令を周知するなどの是正措置を行った。

1月30日には、空撮事業者が北海道の大雪山公園内で目視外飛行による映像撮影を行っていた際、周辺の樹木に機体が接触し、墜落。負傷者や物件の被害はなく、操縦者は150時間以上の操縦経験があった。

飛行させていたのは、プロペラ除く直径が55センチ、最大離陸重量3.4キロのマルチコプターで、国交省は墜落の原因分析と再発防止策の検討を事業者に指示。この結果、飛行中に操縦者がモニターを注視していた際、樹木の存在に気付かず樹木に機体が接触したために墜落したもので、操縦者、補助者の連携ミスが原因となった。

事業者は是正措置として、配置する補助員に役割などをしっかりと認識させることを徹底。操縦者から死角が生じた場合や安全確保が難しい場合には2人以上の補助員を必要とする場所に配置することにした。

11件の事故のうち4件はラジコン飛行機で、ドクターヘリと接近したケースや、ヘリコプター運航者からヘリコプターの機体の5-10メートル下方をラジコン機が通過したり、機体が制御不能となって見失い、付近の高速道路上で発見されたりといった重大事故につながりかねないものもあった。