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2020年までに物流事業者の生産性2割アップ目指す

政府、再興戦略素案に館内物流への配慮盛り込む

2016年5月20日 (金)

行政・団体政府は19日に開いた産業競争力会議で、名目GDP600兆円に向けた成長戦略「日本再興戦略2016」の素案を提示した。IoT、ビッグデータ、AI(人工知能)、ロボットなどを活用して「第4次産業革命」を実現し、20年までに付加価値30兆円の創出を目指すため、政府全体の司令塔として「第4次産業革命官民会議」を設置、生産・物流分野では「サプライチェーン全体の在庫ゼロ、即時オーダーメイド生産」の推進を掲げた。月内にも閣議決定する方針。

ロボット開発の分野では、適切な性能や安全性を備えたロボットを開発するため、ロボットテストフィールドで物流、インフラ点検、災害対応に対応する検討チームを新設。ロボットメーカー、ユーザー、学識経験者で構成し、16年度から分野ごとに「求められるロボットの性能や操縦技能」の国際標準を見据えた評価基準、検証手法の研究開発を開始する、とした。

また、産業インフラの機能強化に向け、長時間労働の削減に向けたトラック事業者・荷主などで構成する協議会の取り組み、下請事業者の取引条件改善など、適正取引の推進に向けた取り組み、ITを活用した中継輸送など、共同輸送の導入促進を図り、20年までに「物流事業者の労働生産性を2割程度向上させる」ことを目指し、物流生産性革命の実現に取り組む。

具体的には、ETC2.0などのビッグデータを活用したピンポイント対策、利用重視の新たな料金体系の導入で渋滞緩和を図るほか、高速道路へのアクセス性の高い物流拠点の整備を促すため、物流拠点との直結や道路空間の有効活用について「新たなルールの検討」を行う。

さらに、建築物に貨物用エレベータや搬入車両に対応した天井高を確保するなど、建物内へ貨物を搬入しやすくするため、「物流を考慮した建築物の設計・運用ガイドラインを16年度中に策定し、館内物流・都市内物流の整流化を促す。

輸送効率の向上に向けた取り組みとしては、1台で通常の大型トラック2台分の輸送が可能なダブル連結トラックの導入に対応する「特車通行許可基準」の緩和を行い、電子データを活用した自動審査システムの強化と併せて実施することで、許可までの平均審査期間を現在の1か月から10日間程度に短縮する。