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ジャパントラックショー2016主催者インタビュー・南元一氏(国際物流総研会長)

「物流企業とトラックメーカーの橋渡し役担いたい」

2016年8月23日 (火)
パシフィコ横浜1

話題自動運転トラックや準中型免許制度の創設など、トラックを取り巻く環境が大きく変化しようとするなか、これらの最新動向を知ることができる「ジャパントラックショー2016」があと10日程度で開幕する。

出展企業はトラックメーカーを中心に75社。各社がIoT(モノのインターネット)やビッグデータを活用したものなど、最新機能を搭載した製品を紹介するほか、タイムリーなセミナー・セッションはすでに満席が出始めた。トラックショーを主催する国際物流総合研究所(東京都中央区)の南元一会長に開催の狙いや来場者に知ってほしいことを聞いた。

南元一氏

▲南元一氏(国際物流総合研究所会長)

特集記事一覧

□ジャパントラックショー開幕間近、盛り上がり本格化
https://www.logi-today.com/249503

□「物流企業とトラックメーカーの橋渡し役担いたい」
主催者インタビュー・南元一氏(国際物流総研会長)
https://www.logi-today.com/250846

□トラックショーの見どころ▷講演・セミナー編
https://www.logi-today.com/251171

※8月31日追加
□「ジャパントラックショー2016」展示内容の一覧
https://www.logi-today.com/252846

――まずは「ジャパントラックショー2016」開催の目的について説明してほしい。

▲開催説明会の様子

▲開催説明会の様子

南元一会長(以下、南氏) これまで当社(国際物流総研)はどちらかと言うとセミナーやコンサルティングを中心に事業を展開してきて、物流企業から多くの意見や要望を見聞きしてきた。

多くの物流企業では安全活動やドライバー不足が経営に直結する課題として捉えられており、個別にトラックメーカーとの情報交換もされているようだが、関連する業界のプレイヤーが一堂に介する場というのはそう多くなかった。

今回のジャパントラックショー2016では、(物流企業とトラックメーカーの)どちらかに肩入れするイベントではなく、適切なバランスで両者の橋渡し役を担いたい。

――単なる展示会に終わらせないと。例えばどんな工夫があるのか。

▲開催説明会の様子

南氏 初日(9月1日)の終了後、出展企業やイベントの開催を応援してくれた物流企業などに集まってもらい、親睦を深める機会を設ける。トラックメーカーをはじめとする出展企業と物流企業が結び付きを強める一助になれば。

――従来、開催されてきたトラックショーとはややコンセプトが異なるということか。

南氏 物流企業に光を当てたい。イベント開催の応援団という位置付けで、物流企業による「サポーターズ」が結成されたのは、ほかのイベントや従来の開催と大きく異なる点だと思う。SBSグループやハマキョウレックスといった大手から中小・中堅物流企業まで100社程度に賛同してもらえたのは成果だ。

――サポーターズに期待する役割は。

南氏 物流企業の経営者だけでなく、ドライバーにも積極的に参加してほしいと考えている。これらの企業が保有するトラック台数は合計7万台に上っており、「自社が応援するイベントだから」ということで参加しやすくなるのではないか。

――ビジネス一色のほかの物流イベントに比べ、コミュニケーションを重視している。

▲開催説明会で挨拶する南氏

▲開催説明会で挨拶する南氏

南氏 子供たちや家族連れで参加してもらいたいと思い、電車の中吊りや駅貼りなど積極的に広告掲出することで、一般客誘致に力を入れている。

――その狙いは。

南氏 若い人たちが物流業界を選ばなくなっている。少子高齢化が進展するなかで何ができるかを考えた結果、地道であっても物流という業種をPRする意義があると考えた。昔の物流業界とは大きく違ってきているが、浸透しているとは言い難い。正しいイメージに変えていきたい。

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■インタビューを終えて
国際物流総研が「ジャパントラックショー2016」の準備に着手したのは2年前。同イベントは隔年開催となっており、実はすでに次回開催計画が立ち上がろうとしている。

2年後の2018年は自動運転やIoTを用いた物流技術が大きく進化している可能性が高く、当然ながらこういう最新テクノロジーに注目が集まるわけだが、主催者の国際物流総研・南元一氏は「最新技術の紹介のみに偏らず、物流企業とトラックメーカーなど物流機器・サービスの供給サイドとのバランスに腐心している」ことを明かした。

トラック・物流機器メーカー、物流企業、一般来場者が一堂に会することそのものに開催目的を置いた2016年のトラックショー。次回は10のセッション・セミナーの見どころ(近日公開予定)を紹介する。