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大同特殊鋼、知多工場で物流効率化など200億円投資

2012年1月10日 (火)

拠点・施設大同特殊鋼は10日、知多工場(愛知県東海市)の一次工程への戦略投資として約200億円を投じ、2013年秋をめどに製鋼プロセスの抜本的な合理化を実施すると発表した。構内物流の整流化を図ることで、生産力を強化する。

 

知多工場は同社の粗鋼の90%を生産する主力工場で、年間粗鋼生産量は150万トンに上り、特殊鋼一貫製鋼所として世界最大級の規模を持つ。操業開始当時は自動車向け構造用鋼を中心に生産してきたが、ステンレス鋼・工具鋼・高合金まで生産できる工場を目指し、製鋼設備の増設を繰り返した結果、設備レイアウトが複雑となり、生産運営上のロスが生じた。

 

今回の大型投資により、生産能力、競争力を高め、環境対応を兼ね備えた世界最高水準の特殊鋼製鋼所にリフレッシュする。同社は今回の知多工場への戦略投資を皮切りに、生産販売体制の強化による事業基盤の安定・拡大に向けた施策を検討する。

 

合理化は、製鋼の溶鋼搬送ラインの物流を見直し、連続鋳造機の能力をフルに発揮させることで戦略商品群の生産能力を向上させるとともに、品質向上を図る。また、将来の電力単価の上昇に備え、炉を大型化(150トン化)するとともに、革新的技術の開発・導入により、エネルギーの高効率化と溶解・精錬機能の向上を目指す。

 

電力以外の天然ガス、炭材といった代替エネルギーを積極利用して省電力溶解可能な「エネルギー多様化対応型の電気炉」とし、将来の電力事情、エネルギー事情に柔軟に対応していく計画。