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ハンブルク港、IoT技術で汚染源船舶の特定可能に

2016年12月6日 (火)

国際ハンブルク港、IoT技術で汚染源船舶の特定可能にKii(東京都港区)は6日、独ハンブルグ港湾局(HPA)とIoTを用いた大気汚染削減のパイロットプロジェクトを実施したと発表した。

局所的な大気汚染が課題となっていたハンブルグ港で、港湾局とKiiが3月からIoTクラウドプラットフォームを用いたパイロットプロジェクトを実施し、「汚染の測定と汚染源となっている船の特定が可能であること」を示した。

ハンブルグ港は北海からは100キロ内陸にあり、エルベ川に面した河川の港湾で、海港と異なり港が市街地の中心にあり、国際港湾となっているために各国の船が出入りしていることで、効果的な排気規制ができず、水面近くの陸地の大気汚染が課題となっていた。

船による大気汚染は局地的に起こり、多数のセンサーを多地点に設置する必要があるが、有線接続や専用システムを前提としたこれまでのやり方ではコストがあわず、モニタリングは実現できなかったが、「IoTとクラウドを組み合わせれば、初めて実現可能なコストで実施できる可能性があり、かつ細い水路が内陸部にあるという港湾の地理的特性から、大気汚染発生の時刻と場所から汚染源だ船も特定できる可能性がある」として、パイロットプログラムを実施し、これらの解決策を検証することになった。

プロジェクトは3月にKiiが技術支援を行い、大気汚染監視装置メーカーのAQMeshが協力してスタート。汚染の測定値は3か月以上の間、KiiのIoTクラウドプラットフォームによって一か所に集められ、分析しやすい形にまとめられた。

HPAが港湾の中の複数の地点での大気汚染を分析することや、さまざまな環境センサーの機能を試すことが可能になり、結果として、接岸中のクルーズ船に地上から電力を供給するなどの多数の対応策が考案され「大気汚染を測定するだけでなく汚染減を特定することによって、ハンブルグ港の大気汚染を軽減する新たな方法が考案され、それを試すことが可能になった」。

ハンブルク港、IoT技術で汚染源船舶の特定可能に2センサーは港湾の中のまず3か所の異なった地点に設置し、二酸化窒素、二酸化以降、PMの排出を検出するとともに、温度、気圧、湿度のデータも記録し、すべての記録されたセンサーデータを無線接続されたゲートウェイを通じてKiiのIoTクラウドプラットフォームに送信。プラットフォームを用い、結果をわかりやすいウェブのダッシュボードに表示することで、HPAの従業員がAPIを用いて分析できるようになった。

Kiiの担当者は「ハンブルグ港における大気汚染のリアルタイム測定の可能性を示すことができた。われわれのIoTソリューションで陸路と海路の重要なポイントでセンサーを設置し、リアルタイムでの可視化と分析が可能になった。ハンブルグでKiiは、港湾や都市がIoTを用いていかに効果的に大気汚染を監視できるかを示すことができたと考えている」と実証結果が満足できるものであったことを説明している。