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日産、自動運転技術用いた完成車無人搬送を導入

2016年12月6日 (火)
日産、自動運転技術用いた完成車無人搬送を導入
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話題日産自動車は5日、完成車を専用ふ頭まで無人けん引車で搬送する「インテリジェントビークルトーイング」システムを同社追浜工場(神奈川県横須賀市)に導入したと発表した。

システムは自動運転機能を備えた電気自動車「日産リーフ」ベースのけん引車と台車で構成し、一度に最大3台の完成車を無人で搬送することができる。

これまで部品搬送に使用してきた無人搬送台車は、磁気テープやレールを辿って走行するものだが、今回のシステムはこうしたインフラを敷設する必要がなく、生産工程や物流動線の変更に柔軟に対応しながら経路を設定する。

けん引車には複数のカメラとレーザースキャナーを搭載し、そこから得た白線、路肩、障害物などの情報と地図データを組み合わせ、自車の位置を正確に把握、目的地までのルートを工場内の制限速度で自動走行する。先行車両や人に接近した場合には自動で停止し、一定以上の距離が確保されたと判断すると自ら再発進。それぞれのけん引車の位置、車速、作動状況やバッテリ残量は、管制センターでモニタリングすることができる。

また、けん引車同士の進行ルートが交差する際は、管制センターで優先順位を決定するほか、緊急時にはシステムを遠隔で停止させることが可能。

同社は組立工場から専用ふ頭まで専門のドライバーが完成車を1台ずつ運転して搬送していたが、将来の日本での労働人口減少の対策の1つとして、搬送業務の合理化に向けた方策を検討し、その一環として1年前から追浜工場で試験運用を開始したという。

すでに累計1600回にわたる試験走行を実施済みで、得られたデータに基づき構内の特定条件下で無人走行時のリスクに対応する安全機能、フェールセーフ機能、天候や日照といった周辺環境の変化の中でも安定的に走行できる信頼性を確立。今後、追浜工場で技術検証を重ね、将来的には国内外の他工場への導入も検討していく。