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矢野経済研究所調べ

患者・高齢者の在宅シフト進み在宅配食市場拡大

2017年7月28日 (金)

調査・データ矢野経済研究所が28日に発表した、国内メディカル給食市場、在宅配食サービス市場の調査結果によると、2016年度の両サービスを合わせた市場規模は前年度から微増(1.3%増)の2兆2011億円となった。国内では病院数、病床数がともに微減傾向を辿っていることから、病院給食市場については減少する見込み。

病院給食市場は0.7%減の1兆1776億円、高齢者施設給食市場は3.4%増の9045億円、在宅配食サービス市場は6.3%増の1190億円で、病院給食市場が縮小する一方で、高齢者施設の増加と在宅高齢者の増加を反映し、高齢者施設給食と在宅配食サービスの市場は拡大する見通しだ。

(出所:矢野経済研究所)

■一頃の勢いなく縮小傾向、病院給食市場
病院給食市場は、病院の統廃合、閉鎖、診療所の無床化により、病院数、病床数ともに微減傾向が続く。病院経営の効率化を目的に増えつつあった病院給食の外部委託も、人手不足や食材費の高騰を背景に「一頃の勢い」はなくなっているという。

■有料ホーム増え外部委託率上昇、高齢者施設給食市場
高齢者施設給食市場は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設は施設数が漸増ペースとなるため、成長率は鈍化する見通し。有料老人ホームは施設数が増えており、新規建設施設も「ほぼ給食委託で参入するところが多」いことから、同社は外部委託率は上昇するとの見方を示す。

■在宅高齢者増え規模拡大、在宅配食サービス市場
在宅配食サービス市場のうち、自治体が独自予算で実施し、利用者個人が一部負担する、いわゆる「横出しサービス」は、厚生労働省の介護保険制度による入所者食の個人負担化に伴い「施設でも自宅でも食事は個人が負担するもの」という考えから、公的補助の減額、廃止などで伸び悩む。

他方、民間事業者の在宅配食サービスはここ数年やや落ち着きを見せているものの、患者や高齢者の在宅へのシフトが続き、在宅高齢者が増加しているため、市場規模は拡大する見通し。