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海外ベンチャーと提携、沿線地域で3PL受け皿化も検討

東急電鉄、沿線シェアリングモデル構築へ新たな取り組み

2017年8月28日 (月)

▲デリバリーBEEイメージ

話題東急電鉄は28日、東急線沿線を中心とする新たなシェアリングエコノミー型事業モデルの確立に向け、地域密着型のオンライン買物代行コンシェルジュサービスを展開するシンガポール発のベンチャー企業「honestbee」(オネストビー)と提携する、と発表した。

買い手と働き手を地元で完結させる取り組みのほか、将来的には物流企業が物流を委託できる「東急線沿線独自のシェアリングエコノミー型物流網」の構築を目指す。オネストビーが海外で拡大させている「beeポイント」(受取ポイント)についても、東急グループの駅や店舗で並行して展開することを検討する。

東急電鉄では、沿線で2012年6月に「東急ベル」をスタート。専門スタッフが顧客宅を訪問し、ネットスーパーやハウスクリーニング、家事代行などの「家ナカ」を便利で快適にするサービスを提供している。一方オネストビーは、顧客のウェブやアプリ上からの注文をスタッフが買物代行し、注文から最短1時間以内に自宅やオフィスまで届ける。

▲ショッパーBEEイメージ

両社は提携に先立ち、オペレーション面の課題検証を目的に、東急ストアの協力を得てプレッセ中目黒店で7月20日から実証実験を実施。実験では実際にオネストビーのサイト内で注文された東急ストアの品を、オネストビースタッフが配送しており、「現時点では従来と同レベルのサービスを提供できている」という。

東急とオネストビーは、提携によって東急線沿線でシェアリングエコノミー型の配送モデル確立を目指し、オネストビーのサービスの浸透・拡大策を展開するほか、東急ベル配送サービスの一部委託を検討する。

東急電鉄では「急拡大する宅配便の人手不足が深刻化する昨今、専業ではなく一般の顧客に登録者を募り、コンシェルジュスタッフを育成することで、人手不足の解消につなげる」とその狙いを説明。2時間という短時間から働けるシステムについても「育児や介護など時間制限があっても隙間時間を利用した働き方を可能にし、地域社会に新たな雇用機会を創出する」と意義を強調する。

▲シンガポールで提供されている「honestbee」のサービス

東急ベルが商店街や路面店などを両社のサービス加盟店として開拓を図ることで、地域のものを地域住民が購入し、運ぶ、といった「地域の循環」を作り出し、地域経済を活性化させることをイメージしており、ECの台頭による商店街の衰退に対して有効だと考えている。同社は「オネストビーと連携しシェアリングエコノミー型配送モデルを普及させるなど、地域経済を活性化させることで、『日本一住みたい沿線』を目指す」としている。