五洋･東亜、モザンビーク･ナカラ港開発工事受注

ロジスティクス五洋建設と東亜建設工業は15日、両社の共同企業体がモザンビーク運輸通信省から「ナカラ港開発I・II期工事」を受注したと発表した。

この工事は既存のナカラ港を浚渫(土量26万m3）、埋立（土量21万4600m3）することで港湾エリアを拡張するとともに、コンテナ専用埠頭、アクセス道路や構内鉄道などを整備するもの。受注金額はJVで256億円、工期は36か月となる。

モザンビーク北部に位置するナカラ港は、背後地に豊富な天然資源や肥沃な農地を抱えており、民間ベースの投資活動や資源探査も活発化している。海を持たない内陸国のマラウイやザンビアにも通じており、ナカラ港の輸送能力を強化することは、同港を起点とするナカラ経済回廊地域の発展・活性化だけでなく、日本への天然資源や農産物の供給基地としても期待される。

一方で、ナカラ港は完成から40年が経過して施設や機材の老朽化が著しく、荷役効率や運営維持管理能力、安全性など多くの課題を抱えている。今回の工事は、円借款により、コンテナ専用埠頭などを整備し、ナカラ港の機能拡充を図る。

日本政府は「質の高いインフラ輸出」を通じて、アジアとアフリカの連結性強化を推進しており、2016年8月に開催された第6回アフリカ開発会議で、アフリカに対する官民300億ドル規模の投資が表明されている。モザンビークに対しては「回廊開発を含む地域経済活性化」が援助重点分野として掲げられており、無償資金協力による「ナカラ港緊急改修工事」に続くこの工事によって、ナカラ港が現代的設備を備えたナカラ経済回廊のゲートウェイとして、地域の発展、活性化に貢献することが期待されている。