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矢野経済研究所調べ、電子ペーパー市場、12年に1090億円規模

2010年8月23日 (月)

話題矢野経済研究所は23日、電子ペーパー市場に関する調査を実施し、調査結果を公表した。2009年の電子ペーパー世界市場規模は、メインアプリケーションの電子書籍端末や電子ビューワー市場が立ち上がったことで一気に需要が増加し、前年比約1030%の337億円となった。10年は電子書籍端末としても使用可能な「iPad」が発売されたことで市場が活性化し、さらに電子書籍端末需要が拡大、市場規模は前年比約211%の710億円を見込む。

 

調査結果によると、11年は電子書籍端末の普及に向け、電子ペーパーメーカーが端末価格「100ドル」を目指し、電子ペーパーモジュールの値下げを行うと見られる。電子ペーパー市場の大半を占める電子書籍端末向けの単価が下落することにより、2011年はそれまでと同様の大幅な伸びは期待できず、市場規模は前年比約126%の893億円と予測。

 

12年は電子書籍端末向けでの低価格競争が一段落する見通し。また、高付加価値のカラー、フレキシブル電子ペーパー搭載の業務用電子ビューワーの普及、電子タグなどほかのアプリケーションでの採用も本格化すると見られ、矢野経済研究所では、市場規模は前年比約122%の1090億円と予測している。

 

電子書籍端末向けのほか、電子タグ、携帯電話端末、ICカード、サイネージ・電子POP、USBメモリ、腕時計、その他機器の表示部などでも電子ペーパーが採用され始めている。ただ、パネルサイズが電子書籍端末向けと比較して小さいこともあり、市場規模全体に占める割合は当面10%以下に留まる見込み。

 

調査は5-8月、電子ペーパー部材、モジュール、セットメーカーを対象に、矢野経済研究所の専門研究員が直接面談、電話・電子メールによるヒアリングを行ない、文献調査を併用した。

 

■調査レポートの概要
資料名:「2010年版電子ペーパー市場の現状と将来展望」
発刊日:8月19日
体裁:A4判176頁
定価:15万7500円(本体価格15万円、消費税など7500円)