ブリヂストン、電子ペーパー事業を強化、物流分野で採用も

サービス・商品ブリヂストンは2日、電子ペーパー事業の拡大に伴い、磐田工場（静岡県磐田市）内に製造ラインを新設、今月から生産を開始すると発表した。これまで東京工場内で電子ペーパーを生産してきたが、今後の生産は磐田工場に集約し、既存プラントは研究施設として活用していく。

製造ラインの投資額は約10億円で、生産能力はA3サイズ換算で現在の月産5000枚から月産1万5000枚に拡大する。同社は、2009年から電子棚札用電子ペーパーの事業を展開し、これまでに日欧のスーパーマーケットなど小売流通業の200店舗以上で採用されている。累計の納入数量は150万個に達し、今後も需要の拡大が見込まれると判断した。また、電子棚札以外にもペーパーレス化を目的とした工場・物流分野の作業指示票などへの採用も新たに決まり、この分野での需要拡大も見込む。

同社では、02年に液晶に替わる表示材料として「電子粉流体」の開発に成功。04年にはこの新材料を用いて、文字や写真を自在に表示し、電源を切っても表示を維持することができる電子ペーパーの開発に成功していた。同社の電子ペーパーは、紙のような高視認性、広視野角などの特徴に加え、様々な文字や写真のカラー表示が可能。液晶の30倍以上と表示速度が速く、瞬時に内容を変更できるとともに、低温度域での使用も可能。