楽天とKDDI、物流･決済･通信分野で提携

M&AKDDI、沖縄セルラー電話と楽天は1日、物流、決済、通信ネットワーク分野で提携すると発表した。

昨今、不在再配達の増加や人手不足などが社会問題化し、EC店舗が安定的に店舗運営を行うことが困難になっている背景から、楽天は、「楽天市場」で商品の注文から配達までの仕組みを一気通貫で管理する包括的な物流サービス「ワンデリバリー」構想を掲げ、「楽天スーパーロジスティクス」や「楽天エクスプレス」をはじめとするさまざまな施策に取り組んでいる。

（出所：楽天とKDDI）

今回の提携により、楽天はKDDIが運営する総合ショッピングモール「Wowma！」（ワウマ）に対して、楽天の物流サービスを2019年4月から段階的に提供する。両社は、楽天が推進するワンデリバリー構想を共に進めていくことで、物流業界での社会課題に対して、効率的な物流・配送サービスを実現し、「国内EC市場の健全な持続的発展」を目指す。

決済サービス分野では、楽天はクレジットカードや電子マネーをはじめ、さまざまな決済手段を提供している。現在注目を集めているQRコード決済サービス分野でも、「楽天ペイ」（アプリ決済）で対応している。一方、KDDIも「au WALLET」や「auかんたん決済」などのサービスを通じて決済領域の強化を進めており、2019年4月よりバーコードやQRコードを使った新たなスマホ決済サービス「au PAY」を開始する。

楽天は今後、楽天ペイをはじめとした決済プラットフォームや加盟店網をKDDIへ提供。これにより、KDDIは、楽天グループが直接契約している全国120万か所の加盟店を活かしたau PAYを4月から段階的に開始する。

また、KDDIは、今後のサービス競争の促進に寄与することを目的に、楽天が19年10月から開始予定の第4世代移動通信サービス（LTE通信サービス）に対して、通信ネットワークを提供するローミング協定を締結。これにより、楽天は、サービス開始当初から日本全国でLTE通信サービスの提供が可能となる。

本協定は、提供期間を26年3月末までと定め、その期間内に楽天は自前での全国ネットワーク建設を着実に進め、完成した地域から順次、自前ネットワークへ切り替えを行う。