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海運向け気象海象データをAPIで、日本気象協会

2018年12月7日 (金)

話題日本気象協会は7日、海運会社、造船所、海事研究機関、舶用機器メーカー向けに海上風や波浪などのデータを提供する「POLARIS」(ポラリス)が完成し、来年春から提供を開始する、と発表した。

▲「POLARIS」による航路に紐付けた気象海象データのイメージ

ポラリスは地球全球の気象海象追算データをウェブAPI経由で取得できる従量課金型の有償サービスで、海上10メートル高度の海上風、波浪(全体)、風浪、うねりといった要素を実績航路や計画航路に紐付け、最小10分間隔、最短20メートル間隔(緯度経度0.01分)で入手することが可能。

▲「POLARIS」API出力画面イメージ

これらのデータを使うことで、実海域中の船舶推進性能の推定、船体などの性能変化の状態評価、燃費やCO2排出量などの分析算定に利用できる。正式版サービスの提供に先立ち、2019年1月から国内向け「試用版」サービスを提供する。その後、4月に国内向け「正式版」を公開し、6月には海外向けのサービスも立ち上げる。

国際海運業界では、国際海事機関(IMO)が今世紀中に温室効果ガス(GHG)の排出をゼロにする」ことで合意したことを受け、今後「2008年をベースに、30年までに国際海運全体の燃費効率を40%改善し、50年までにGHG排出量を半減させる」といったGHG削減戦略の議論が進むとみられ、同協会では「今後のGHG削減戦略の進捗に併せて、船舶・造船向け気象海象データの提供を通じ、業界発展へ貢献していきたい」としている。