ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

豊田通商、RFIDで棚卸時間8分の1に短縮

2019年5月31日 (金)

調査・データ豊田通商は、物流子会社の豊通物流とともにRFIDタグを活用した入出庫・棚卸システムの導入プロジェクトを立ち上げた。これまでの検証で、棚卸し時間が従来の8分の1に短縮されたという。

国内で自動車部品物流を行う豊通物流「第2三好センター」(愛知県みよし市)で4月から試験導入。海外拠点との連携を視野に、インドネシアの物流拠点でも導入プロジェクトを立ち上げ、実作業を通してグローバル展開に向けた課題や改善点を洗い出し、本格導入に向けて検証する。

豊田通商は、自動車メーカーの海外生産拡大、これに伴う部品メーカーの海外進出を背景に、世界28か国で事業を展開し、部品の最適サプライチェーンを構築して安定供給・在庫管理運営を行っているが、自動車部品は材質・形状が多岐にわたり、特に金属製品が多いため、電波を利用したRFIDの利用は電波の乱反射や金属による電波干渉で読取精度が低くなる課題があった。

このため、同社はRFID導入に向けて2年間の検証を行い、豊通物流の第2三好センターに入出庫時のRFIDタグ読取りシステムと無人搬送車(AGV)、RFID読取装置が一体となった棚卸用AGVシステムを製作・試験導入した。

倉庫への部品搬入時、梱包箱ごとにRFIDタグを貼り付け、作業工程ごとに入庫予定リスト、在庫リスト、出荷予定リストとRFIDタグの読取結果の照合を行うことで、作業の効率化と精度向上を図る。

特にこれまでの棚卸業務では、倉庫棚の高い位置に保管されていた商品を実査棚卸する際、フォークリフトなどで床面に降ろして棚卸を実施し、再び棚に戻すといった作業が必要だったが、棚卸用AGVシステムにより、高さ6メートルの倉庫棚にあるタグまで自動で読み取ることができるようになった。在庫品を床面に降ろさずに棚卸作業を完了させることが可能になり、棚卸の実施頻度を増やすメドがたった。

今後は国内外の物流拠点をつなぎ、サプライチェーン上の自動車部品の在庫数の可視化と受発注・在庫管理の高度化を進める。またインドネシア物流拠点のプロジェクト開始を皮切りに、複数の海外物流拠点でRFID導入プロジェクトを立ち上げる。