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ドライバーの2割に睡眠不足・疲労の事故リスク

2019年10月16日 (水)

調査・データアデコは16日、人手不足が深刻化する運送業界で正社員、契約社員として勤務する全国のトラックドライバー400人を対象とした「働き方」に関する調査結果を発表した。長距離と短距離のドライバーそれぞれ200人に対し、9月26日から30日にかけてインターネット上で調査した結果をまとめたもので、5人に1人が「睡眠不足や疲労が原因で事故を起こした」「起こしそうになったことがあった」と回答した。

6割は「稼働日の平均的な睡眠時間」が6時間未満と短く、5割は「年間の有休取得数」が5日未満にとどまっていることがわかった。また「悩み」としてもっとも多く挙げられたのは、「給与が低い」ことだった。

■8-13時間未満が6割占める、1日あたりの平均的な拘束時間
労働時間と休憩時間を合わせた拘束時間は、原則として1日13時間以内、延長する場合でも最大16時間以内と定められている。「8-13時間未満」との回答が全体の60%を占めたものの、「13-16時間未満」との回答も26.3%あり、9%は「16時間以上」と答えた。

また、15時間を超えることができるのは「週に2回まで」となっているにもかかわらず、20.8%は「3回以上ある」と回答。「15時間を超えることはない」という回答は49%とほぼ半数にとどまった。「運転開始後4時間以内または4時間経過直後に30分以上の休憩などを確保しなければならない」とされている連続運転時間については、「1回の連続運転時間が4時間を超えることがひと月に何回ぐらいあるか」との質問に対し、「1回以上ある」が4割(39.5%)に上った。24%の運転手は「5回以上ある」と答えていた。

稼働日の平均的な睡眠時間は「4時間未満」が6.5%、「4-6時間未満」が50.5%で、合わせて57%が6時間未満。「睡眠や仕事中の休憩など、体を休める時間を充分に取れているか」との問いには44%(176人)が「取れていない」と回答し、そのほぼ半数(47.7%)が「睡眠不足や疲労が原因で事故を起こしたこと、もしくは起こしそうになったことはあるか」との問いに「ある」と答え、5人に1人が「睡眠不足や疲労が原因で事故を起こしたり起こしそうになったりしていた」ことがわかった。

ことし4月から年5日の確実な取得が義務付けられている年次有給休暇の取得状況については、ほぼ半数の49.8%が「5日未満」と回答した。

■悩みは給料の低さ
「悩んでいること」を尋ねた質問でもっとも多かったのは「給与が低い」で、6割以上となる61.3%に達した。また「個人としての年収」については4割(39%)が「400万円未満」、3割(26.8%)が「400万円以上500万円未満」で、「500万円以上700万円未満」も21.3%と2割を超えた。