話題日本GLPは25日、大規模物流施設の新ブランド「ALFALINK」(アルファリンク)を発表し、第1号施設となる「アルファリンク相模原」の概要を明らかにした。
新ブランドのコンセプトは「創造連鎖する物流プラットフォーム」。クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が同コンセプトの考案からロゴデザイン、建築・空間デザインまでを手掛けた。陸を表すライトグリーンと海・空を表すライトブルーを重ねて「α」(アルファ)を形作るロゴデザインは、「物流に未来のプラスアルファを生み出していく」という意味を込めた。
■第1号物件「アルファリンク相模原」
同社は、新ブランドの第1号物件として神奈川県相模原市に、先進的物流施設5棟で構成される「GLPアルファリンク相模原」を開発。総延床面積65万平方メートル、総開発費用1400億円の国内最大級の開発プロジェクトとなる。開発地は、圏央道「相模原愛川インターチェンジ」(IC)から4.3キロ、「相模原IC」から7.1キロに位置し、今後は新東名高速道路の開通も見込まれていることから、関東エリアのゲートウェイ、関西、中部へアクセスできる物流拠点として最適な立地。人口密集地にあることから雇用確保にも有利な立地といえる。
物流施設5棟と「リング」と呼ばれる共用棟を2020年2月から順次着工し、最も早いものは21年8月に竣工する計画だが、同社の帖佐義之社長は、「ものすごい数の引き合いを受けている。1棟賃借の引き合いもあることから、今後の引き合い次第では全5棟ではなくなるかもしれない」と説明した。
■アルファリンク相模原の概要(2019年11月時点)
敷地面積 | 延床面積 | 着工予定 | 竣工予定 | 施設概要 | |
---|---|---|---|---|---|
相模原I(共用棟含む) | 13万7000m2 | 30万6000m2 | 2020年2月 | 2021年8月 | 6階建/免震 |
相模原II | 6万9000m2 | 15万8000m2 | 2021年5月 | 2022年11月 | 6階建/免震 |
相模原III | 3万9000m2 | 9万m2 | 2022年8月 | 2024年2月 | 6階建/免震 |
相模原IV | 2万5000m2 | 5万m2 | 2023年2月 | 2024年2月 | 4階建/免震 |
相模原V | 2万5000m2 | 5万m2 | 2023年2月 | 2024年2月 | 4階建/免震 |
「アルファリンク相模原」には、新ブランドのキーワードである「Open Hub」(オープン・ハブ)「Integrated Chain」(インテグレイテッド・チェーン)「Shared Solution」(シェアド・ソリューション)の機能を盛り込む。
■「Open Hub」
これまで公開することが少なかった物流施設内部を「見せる化」することで、入居企業の物流クオリティ、職場環境を外部にアピール。倉庫を「コストセンター」のイメージから「プロフィットセンター」に変換し、企業同士の出会いと協業を促進する。また、屋外の開発未着手エリアには「屋外オープンラボ」を設け、トラック自動運転などの実験場やショーケースとして提供。「倉庫内オープンラボ」では物流に関連するベンチャー企業を誘致して倉庫内自動化などの実証実験場として開放する。
野球場ほどの広さをもつ共用棟「リング」にはレストラン、コンビニエンスストア、カンファレンスルーム、託児所、ジムを備え、施設の従業員だけでなく地域にも開放。相模原市とは災害時の協力協定に向けた議論を進める。
■「Integrated Chain」
企画・生産・加工・保管・輸送・配送などのサプライチェーンをつなぐ施設として、工場用途・冷蔵冷凍保管・ターミナル用途に対応。製造と物流、ドライと温度帯を同一施設で運営し、施設内のターミナル機能で出荷・集荷を行う。
冷蔵冷凍設備は、マルチ型と専用型の冷蔵倉庫を想定しており、現時点では施設面積の10%に5度の冷蔵倉庫を設置する計画だという。
■「Shared Solution」
入居企業には「自動化支援」「人材確保支援」「輸配送サービス」を提供する。自動化に向けては、三井物産と設立したプラスオートメーション社を通じて月額料金制のロボットソリューションを提供。人材確保に向けては、インテリジェンス社との業務提携を通じて人材支援サービスを提供する。
輸配送サービスは、グループ会社モノフルの新サービス「配車プラス」と、業務提携を発表したトランコムのターミナル機能を活用。最初に着工する「相模原1」の西棟5階(屋上)にトラックターミナルを設けて、ラストワンマイル配送拠点や幹線輸送の積み替え拠点として活用することが決まっている。屋上にターミナルを設けることについて帖佐社長は、「施設面の制約がなく、建設コストが安い。ランプウェイを上がることについては、直線を走行するのと大差ないと理解してもらっている」と話した。
同社は今後、「アルファリンク相模原」に続く大型開発を関東・中部・関西エリアで展開するという。
https://www.logi-today.com/358637
モノフル、トランコム連携の「配車プラス」開始(19年11月20日掲載)
https://www.logi-today.com/358654
三井物産・GLP、物流施設向けロボ提供の「+A」設立(19年11月21日掲載)
https://www.logi-today.com/358846