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国交省、日欧シベリア鉄道輸送は海上比コスト1.5倍

2019年12月27日 (金)

国際国土交通省は12月26日、9月から11月にかけて実施していた日欧間シベリア鉄道輸送のパイロット事業について、結果(速報)をとりまとめて公表した。

東洋トランス、日新、日本通運の3社が実施主体となった同パイロット事業では、輸送コストが海上輸送と比べて1.5倍か、それ以上となることが分かった。輸送にかかった日数は、東洋トランスの危険品輸送(富山港→ポーランド・ビエルスコビャワ)が16日、日新の化学品タンクコンテナ輸送(神戸港→ポーランド・ブジェクドルヌィ駅)が21日、日本通運の輸入混載貨物輸送(独・ハンブルク→横浜港)が22日だったことが分かっており、リードタイムは海上輸送に比べて短縮されるものの、輸送コストが課題となりそうだ。

取材に対し国交省の担当者は、「現状では、コストとリードタイムのバランスが海上輸送と航空輸送の間にあるが、荷主・物流企業の協力を得ながら鉄道輸送の物量を増やし、ロシア鉄道とボリュームディスカウントの交渉を進めていきたい」と話した。

輸送品質については、概ね良好だったが、一部の貨物で軽度の揺れと突発的な衝撃が記録され、梱包に破れが生じたものもあった。

検証課題に挙げていた手続きについては、ロシア側の規則の不透明さから、積出し港で危険物を積込み直す事態が発生したが、リードタイムと通関手続きでは大きな問題はなかったとしている。

同パイロット事業では、東洋トランスがマキタの電動工具・部品(リチウムイオンバッテリー含む)を、日新は日触物流のアクリル系ポリマーを、日本通運はキトー・信越電装などの自動車部品・輸送容器を輸送した。

▲※2:()内は日本の港⇔ブレスト駅(ベラルーシ)間の日数、※3:荷主都合により貨物を保管したブジェクドルヌィ駅(ポーランド)までに要した日数(出所:国交省)

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