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トヨタ・日野、航続600km燃料電池大型トラック開発

2020年3月23日 (月)

▲共同開発車のイメージ(出所:日野自)

調査・データトヨタ自動車と日野自動車は23日、両社が水素燃料電池大型トラックを共同開発し、走行実証などを通じて実用化に向けた取り組みを進めることを発表した。

共同開発車のベースには大型トラック「日野プロフィア」を採用。十分な積載量を確保するため、徹底的に軽量化したシャシーを専用設計するほか、パワートレインにはトヨタが次期「MIRAI」用に新開発する「トヨタFCスタック」を2基搭載する。

▲北米トヨタが19年4月に公開した水素燃料電池大型トラック(出所:トヨタ)

これに日野の大型車用ハイブリッド技術を応用した車両走行制御を組み合わせることで、航続距離600キロメートルと商用車としての実用性を高次元で両立させる。

両社は、大型トラックの電動化には「積載量」「航続距離」「短時間の燃料供給」の3つが求められるため、エネルギー密度の高い水素を燃料とする燃料電池車が有効と考えており、商用車全体のCO2排出量の6割を占める大型トラックの飛躍的な環境性能向上を目指す。

▲実運用されているスカニア製の水素燃料電池大型トラック(出所:スカニア)

水素燃料電池大型トラックの開発を巡っては、ことし1月にいすゞとホンダがパワートレインや車両制御基盤の構築を目指して共同研究することを発表しており、海外では昨年4月に北米トヨタが航続距離480キロのゼロ・エミッション車を公開。フォルクスワーゲン傘下のスカニアは、ことし1月にノルウェーの大手卸と実運用を開始している。日本国内市場は出遅れ感が否めないが、ことしに入って開発競争が熱を帯びてきた。

■共同開発車の概要
ベース車両:「日野プロフィア」 FR1AWHG
全長/全幅/全高:11990/2490/3780ミリメートル
車両総重量:25トン
FCスタック:トヨタFCスタック(固体高分子形)
モーター:交流同期電動機
水素タンク:大容量高圧(70MPa)水素タンクを新開発
駆動用バッテリー:リチウムイオンバッテリー
航続距離:600キロメートル ※都市間・市街地混合モードでのトヨタ・日野測定値

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