拠点・施設ニチレイロジグループ本社は13日、傘下のニチレイ・ロジスティクス東海が最新鋭の冷蔵倉庫「名古屋みなと物流センター」(名古屋みなとDC)を竣工し、15日から稼働を開始することを発表した。
同センターは、労働力不足の課題解決に向け、自動化設備や情報先端技術を導入した同社の旗艦拠点で、同社はここで実証される省人化の取り組みを全国のグループ拠点に横展開していく。

▲パレット自動倉庫
具体的には、パレット自動倉庫、ケース自動倉庫、移動ラック、高速ソーターなどのマテハン機器を組み合わせた設備運用で省人化を図り、人と機械の協働による柔軟なセンター運営を実現。さらにオペレーション面では、入出庫作業のタブレット活用、自動配車システムの本格運用、デジタル化による情報一元管理、ペーパレス化の推進など、今後の省人化モデルを先取りする取り組みを進める。
また、同社はセンター新設のもう一つの目的である「名古屋地区拠点の業務再編」についても詳細を明らかにした。現在は名古屋地区の4拠点が一部重複する業務を行っているが、これを整理して拠点ごとの主要カテゴリーを設定し直す。例えば、冷凍食品の共同配送ではこれまで「春日DC」(愛知県清須市)や「小牧DC」(愛知県小牧市)など複数拠点を活用していたが、これを「名古屋みなとDC」に集約することで、配送会社のトラック台数削減とCO2排出量削減、労働力不足の解決を目指す。配送会社には計画段階から内容を伝達しており、稼働後の協力体制は整っているという。
このほか、同センターは冷蔵倉庫棟の横に1382坪の荷捌棟を併設。幹線輸送の中継拠点としても活用されることから、主な機能は「幹線中継」「冷凍食品の共同配送」「大手宅配クール便のターミナル機能」となる。
ニチレイロジグループ本社の梅沢一彦社長は、同センターについて「業務革新のノウハウを反映した設備・機能をもつ最新鋭の物流センターとなる。ここには “旗艦モデルセンター”に相応しい、経験豊富な精鋭の従業員・スタッフを配置した。 当社が基本姿勢として位置付ける『お客様の利用体験価値の向上』をあらゆるシーンで感じてもらえると思う」とコメント。新拠点の稼働に伴う一連の取り組みに自信をのぞかせた。
設備能力:3万7294トン(F級冷蔵庫3万892トン、内FC級兼用2362トン、低温室6402トン)
冷蔵棟:
構造:地上4階建・免震構造(冷蔵倉庫部分)
接車バース:50基
設備:全館バリアフリー対応、移動ラック、高速ソーター、パレット・ケース自動庫、陽圧装置、フードディフェンス対応としてのID錠・顔認証システム完備
稼働日:4月15日
春日DC:アイス共同配送、量販店向け業務
小牧DC:量販店、外食
白鳥DC:水産原料、メーカー原料
名古屋埠頭DC:畜産原料