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SGHD、宅配・TMSの成長テコに拡大戦略加速

2020年5月12日 (火)

ロジスティクスSGホールディングスは、2020年3月期の業績がデリバリー事業を中心に好調に推移したことを受け、22年3月期までの業績見通しを上方修正するとともに、宅配一本足からの脱却を図り、市場規模がより大きい物流業界全体をターゲット領域に定めていく成長戦略を打ち出した。

20年3月期の同社業績は売上高1兆1734億円(前期比5%増)、営業利益754億円(7.2%増)、最終利益472億円(8.8%増)と増収増益で着地。22年3月期は売上高を当初見通しに170億円上乗せした1兆2300億円、営業利益も60億円多い800億円へと上方修正した。

20年3月期は主力のデリバリー(宅配)事業で平均単価が4.5%増えて641円となったほか、取扱個数も0.6%増の13.1億個と手堅い推移となった。また、従来の貸切便を強化する形で荷主の物流をコーディネートするTMS(トランスポート・マネジメント・システム)事業の成長が著しく、同事業の売上規模は19年3月期から14.5%拡大し、887億円へと成長した。

デリバリー事業で荷主との接点を多く持つ事業の強みを生かし、宅配から貸切便、物流全体へと事業領域を拡大していくための「武器」として同社が掲げるのが、このTMS事業と同事業を生み出したグループ横断営業組織「GOAL」(ゴール)だ。

GOALは、宅配便にとどまらない物流ニーズに対応し、荷主の課題解決を図るグループ横断組織として14年にスタート。セールスドライバーを起点として、顧客に提供する物流ソリューションの最適化を図る戦略が当たりデリバリー以外の事業拡大をリードしてきたが、今後はこの実績を背景に、300人体制となったGOALのメンバーを将来的に700人まで増やすとともにメンバーの専門性を高めていく。

ハブ&スポークを中心とした従来のビジネスモデルと並行して、ベンチャー企業などとの連携を拡大して事業領域を広げつつ、国内輸送、倉庫オペレーションの多様化、国際一貫物流の強化、グローバル事業の拡大を目指し、ITを駆使した既存インフラに依存しない最適配送に取り組む。