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拠点・施設トヨタ自動車傘下のトヨタシステムズ（名古屋市中村区）と富士通は10日、富士通の組合せ最適化問題を高速に解く量子コンピューティング技術「デジタルアニーラ」を活用し、自動車製造に必要な部品の物流ネットワークを最適化する実証を共同で行ったと発表した。実際の物流業務への適用を目指し、今後も検証を重ねる。
実証では「数百を超える仕入れ先」から部品を仕入れ、「数か所の中継倉庫」を通り、「数十の工場」へ配送する300万以上のルートを探索する問題をデジタルアニーラで計算。トラック数、総走行距離、仕分け作業などを含めた物流コストの最適化を行った。
この結果、大量の最適化計算を非常に短時間で実施できることを確認、これまで見つけられなかった有効な物流ルートの発見、積載効率の向上、トラック数や総走行距離の効率化などで「物流に関わるコスト」を2-5％削減できる可能性があることを実証した。
両社の説明によると、これまでは問題規模が大きくなると計算時間が膨大となり、手作業による調整を要していたが、今回、300万以上のルート候補がある大規模物流ネットワークに対し、デジタルアニーラを適用することで、効果を算出。「全体の物流コストが削減できる新たなルート」は30分以内で計算できたという。
富士通は、実証で用いた大規模な組み合わせ問題を扱うことができる技術を適用したデジタルアニーラクラウドサービスを年内に開始する方針。
▲大規模物流ネットワークのイメージ（出所：トヨタシステムズ）
