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DHL、専用便でワクチン輸送への備えアピール

2020年9月16日 (水)

話題DHLグローバルフォワーディングはこのほど発表した声明で、新型コロナウイルスのワクチン供給に適した空輸手段として、中国からオランダ、米国、韓国を経て中国に戻る航空貨物のチャーター便週2便を運航していることに言及し、膨大な物流運営が求められるワクチン輸送への準備が整っていることをアピールした。

ライフサイエンス、医療分野の需要を念頭に開発されたこのサービスは、DHLグローバルフォワーディングのチャーターチームが中国重慶市を起点に蘭アムステルダム、シカゴ(米国)、仁川(韓国)を経由して週2回、チャーター便を運航するもので、同社は「コールドチェーン機能を活用してテストキットと医薬品を輸送した実績がある」と強調。

中国、オランダ、米国、韓国の4か国は2019年の医療品輸出入上位10か国に入り、ワクチンの世界的な供給に重要な役割を果たすとみられることから、これらの国を結ぶチャーター便を整えた。

韓国では20年上半期のヘルスケア製品の輸出が前年比で26.7%増加し、医薬品に限ると52.5%の大幅な増加を記録。中国は1-5月の医療機器輸出は28.5%増加した。

同社は4月、韓国からブラジル、エクアドル、インド、リトアニア、ポーランド、ロシア、サウジアラビアに向けて130万セット以上の試験キットを輸送し、その際にライフサイエンスとヘルスケア施設、温度管理ソリューション、通関に関する専門知識を活用したほか、中国から中東・アフリカへの健康・医療関連物資などの輸送を目的とした週100トン体制の専用航空貨物サービスを各団体・政府機関向けに開始したという。

最近、DHLが発表したホワイトペーパーでは、ワクチンを世界中に行き渡らせるために「さまざまなサプライチェーン全体で最大20万パレットの出荷と、冷却ボックスで最大1500万回の出荷、最大1万5000回のフライト」が必要になるとの分析が示されている。

(出所:DHL)

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