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Datumix、仮想空間活用し立体倉庫作業2割改善

2020年9月17日 (木)

サービス・商品米スタートアップベンチャー「Datumix」(データミックス)の日本法人(東京都豊島区)は17日、トーヨーカネツと共同で「物流の倉庫出庫作業を効率化するAIアルゴリズム」を開発したと発表した。

現実世界のデータを用いてデジタル空間に現実のコピー環境を再現し、シミュレーション結果を現実世界にフィードバックすることで開発や改善を効率化するデジタルツインと呼ばれる手法を活用し、立体シャトル自動倉庫作業を効率化するAIアルゴリズムを開発。立体シャトル自動倉庫からのオーダー集約出庫作業で、出荷される多品種の商品アイテムをオーダー単位に集約する時間を20%短縮した。

実際の物流センターに納入した立体シャトル自動倉庫のモデルをコピーしたデジタルツイン上で、その集約出庫制御に関わる既存アルゴリズムとAIアルゴリズムを比較した結果、多品種の出荷アイテムを既存アルゴリズムより20%早くオーダー単位に集約できることを検証した。

具体的には、複行オーダーで複数商品アイテムの出庫指示から商品を集約ピッキングするステーションに出庫するまでの過程で、商品トレイの集約にかかる時間が出庫処理全体の84.6%を占めることに着目。「ディープラーニングによる時間予測」を用いて注文の引当から商品トレイ集約の処理に要する時間の削減に取り組んだ。

また、3Dモデリングを使って物流設備を精密に再現する同社の物流最適化プラットフォームでデジタルツイン環境を構築。トーヨーカネツの立体シャトル自動倉庫で順立て集約出庫時間を大きく短縮した。

この成果は主に立体シャトル自動倉庫とAGV(無人搬送機)やAMR(自律型協働ロボット)への応用で得たものだが、さまざまな物流設備や機械に応用が可能だとして、今後は実際の設備でも検証作業を進めつつ、物流のスマート化に向けた新たなテクノロジーの提供を行う考え。