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WMS選定のキーワードは「業務フローの直列化」

2020年11月4日 (水)

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サービス・商品入出荷・棚卸まで含めた在庫管理・流通加工・現場使用の帳票発行――これが、WMSの基本機能だ。この数年はクラウド型の登場によって、リアルタイムの在庫照会や業務進捗の可視化と共有が可能となっただけでなく、セットアップから稼働までのリードタイムが従来の仕様に比べて大幅に短縮された。さらに、関連業務補完機能への拡張性や加工難度の緩和、データのソートや条件抽出による多様多彩な分析などが内製処理でまかなえるようになったことも大きな利点といえる。
(企画編集委員・永田利紀)

例えば、在庫マスターと画像付きの商品データを紐づかせることで、「今現在の在庫状況を反映した商品カタログが場所と時間を選ばず閲覧できる」といった派生拡張などは営業的にとても有用と思われる。また、仕入ロットやSKU別の原価管理、温度・湿度管理、在庫ポジションや回転率・入出荷の短・中・長期別移動平均の検証、その他各種分析まで機能拡張できるため、使用者にとって導入するメリットが大きい。既存の大きなシステムや紙媒体によるマスター&ローカル管理と比べ、初期投資額がはるかに小さい点も導入のハードルを低くしている。

(イメージ画像)

画像や音声による警告やエラー表示によって、現場でのミスを削減できるだけでなく、作業時間の短縮と正確性の増進による総合的な効率の向上が見込める。この利点を各荷主の現場業務に適用しながら複数拠点を一括管理できることは物流企業にとって魅力だろう。加えて、マテハンや事務備品なども「自社標準」を規定できるようになる。つまり、拠点業務におけるソフトとハードの共通化が叶うというわけだ。

ただし、最新の利器の機能効果をムラなく最大限に得るためには前提条件が必要になってくる。それは「業務フローの直列化」だ。その理由を記してみたい。

■ 全ての業務は直列でまかなえる

営業倉庫を運営する大多数の物流会社では、業務フローが並列化されている。
顧客別にフローが存在し、一見すると受託業務の内容別に設えたようだ。しかし、各業務フローを重ねてみれば、各工程各作業の大部分が一致することも事実だろう。

(イメージ画像)

例えば、BtoB、BtoBtoC、BtoCなどの各商流に基づいた物流業務にしても、一見重ならないように見える部分の大半はちょっとした加工で同一化もしくは結合できることが多い。実際に検証する際には、用語や表現のブレやズレを修正し、社内であらかじめ取り決めた「規定用語」に置き換えて再整理した後に、業務フローをチャート化して重ねてやれば一目瞭然になる。

荷主によって工数の多寡があることは当然なので、全荷主の全作業を分類し、前述の処理で整理のうえ、番号を付しておく。業務フローを作業番号1・2・4・7・8・10で表現できる荷主もいれば、1・2・3・5・6・7・10・11・12となる場合もあるはずだ。荷主によって不要な工程や各作業は非表示にするだけでよく、全荷主の業務フローは一本の直線上に並ぶいくつかの作業で構成されている。つまり、並列でなく直列で仕事の全てがまかなえるというわけだ。

直線上に並ぶ工程ごとの各作業は、荷主によってアクティブに点灯していたり、消灯して無用を表現していたりするのみで、基本的には機能の取捨選択による組み合わせで処理が行われる。大きな付加価値として、多能工化への最短経路として活用できるし、強く意識せずとも、現場ではごく自然にそういった動きが出てくるだろう。

荷主の別や取扱品の違いはあっても、作業番号「3」と「11」はその企業の規格化された手順として共有されている。それゆえに、前半の工程「3」で作業した人物が、直列の後半部にある別工程「11」という別作業につく光景があたりまえになるはずだ。工程の前後だけでなく、別荷主の同工程も段差や違和なくこなせようになることも同様だろう。このように、機能強化を裏打ちするうえで不可欠な合理化の徹底に寄与することは想像に難くない。

■ 業務フローの直列化とWMSは絶対条件

物流会社では「荷主の取扱商材に合わせた業務構築」という文言が多用されがちだ。
しかし、それが過剰設備や過剰人員、複雑で鈍重な仕組みの原因になっていないか。

(イメージ画像)

「多種多彩」「きめの細かい」「複雑な業務も丁寧に処理」「取扱商材や顧客ニーズに柔軟対応」「最適な業務設計を完全カスタマイズ」――といった文言が、不要な業務を切り捨て、さらに切り詰め、引き算を繰り返した結果ならばよい。物流各社は本当にそうなっているかを検証すべきだ。その先で得るものは、計り知れぬほど大きい。

新規市場や新業態へ参入や転換するにあたり、いちいち物流業務を全とっかえしたり、別物として取り組んだりする必要はない。その言葉の裏付けとして、業務フローの直列化とそれを支えるWMSの存在は絶対条件となる。まずはその基本事項を確認するところから始めるべきだと進言する。

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