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コラム「業務品質向上を次につなげるために」

2020年12月14日 (月)

話題安全性優良事業所(Gマーク)認定制度の普及は堅調で、その効果たる事故率低下の数値エビデンスも優秀だ。運輸の「安全性」は事業の根幹をなすものであり、物流業界すべてに通じる終わりない追求項目だ。(企画編集委員・永田利紀)

関係各位の努力には頭が下がる想いだが、残念ながら世間一般への周知はまだ十分といえない。 Gマーク自体の荷主認知や社会的評価に向けての広報活動は、各社の日々の努力に報いるためにも協会や国土交通省のいっそうの努力が望まれるところであり、われわれ業界関係者も是々非々の線引きは明確にしつつ、正当な評価と継続して報じる後押しに努めなければならない。

Gマーク認定トラックの割合、初めて半数超える(https://www.logi-today.com/411861

せっかく生まれた成果を業界内と監督省庁間の内輪にとどめず、運輸業界の社会的地位向上につなげる知恵や工夫も講じるべきだ。深刻な人材不足・労働力不足に苦しむ物流業界にあって、とりわけその深刻度が大きい運輸事業者の内実を想えば、その成果を人材獲得の助勢に充てることは大いに意義があるのではないだろうか。

ひとえに心理的な効果だと思うが、認定基準や視覚や聴覚に刷り込まれた「知っている」「聞いたことがある」という「認知が生む安心や信用」の威力は絶大だ。Gマーク取得各社の車両に認証マークの掲示をするにしても、各社が足並みをそろえて「指定された位置と大きさ」を順守徹底すれば、徐々に認知効果が上がるだろう。

さらに、Gマークと同時に生まれたはずの「ゴールド・ドライバー(G・D)」「ゴールド・マネージャー(G・M)」の再評価や制度運用の強化も課題とする必要性を指摘しておきたい。

趣旨や仕組の内容は素晴らしいし、ひたすらに推進あるのみだというのは毎度のことなのだが、なぜか初速が保たれずに減速や鈍化する傾向が強いのは、運送関連に限ったハナシではない。続けるだけでなく、徹底的な広報や宣伝を心がけることで、業界自体の理解や認知につながるし、それに反応する人材の増加も見込めるのではないだろうか。

次回の発表を待つとともに、今回のニュースの拡散と関連企画が業界各社で展開されることを期待する。