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モーリシャス座礁事故、商船三井が原因推定

2020年12月18日 (金)

事件・事故商船三井は18日、モーリシャス島沖で7月25日に発生した貨物船「わかしお」の座礁事故について、乗組員からの聞き取り調査などで原因を推定し、再発防止策を策定したことを発表した。

同社が乗組員から聴取した情報によると、本船は座礁2日前の7月23日に航海計画を変更し、本来の沿岸から22海里のルートでなく、5海里のルートを選択。座礁当日の7月25日には、携帯電話の通信圏内に入る目的で沿岸から2海里のルートを航行しようとしたが、沿岸からの距離や水深を正確に確認するのに不十分な縮尺の海図を使用しており、また、沿岸から近いルートを航行しようとしていたにも関わらず、乗組員がレーダーや目視による適切な見張りを怠っていたという。

このほか、商船三井は事故以前にも本船が沿岸に複数回接近していた事実を確認したことから、この事故の原因を「沿岸に接近することへの慣れ」と安全意識不足、順守すべき規程の認識不足と履行不十分――と推定した。

これをもとに同社は、再発防止に向けて(1)サーキュラーによる注意喚起(2)安全航海に必要な規程の認識不足と履行不十分に対する再発防止策(3)運航品質の強化(4)ハードウェア対応――の4つを軸に対策を策定。対策に総額5億円相当を費やす。