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クランド、庫内業務分析アプリに新機能

2021年2月2日 (火)

サービス・商品物流関連のITスタートアップ企業KURANDO(クランド、東京都品川区)はこのほど、作業日報電子化・庫内業務可視化アプリ「ロジメーター」を大幅にバージョンアップしたと発表した。

▲作業者がQRコードを読み取らせて作業実績を登録する

このアプリは、庫内作業員がタブレット端末に作業実績を登録することで、管理者がリアルタイムに進捗を把握したり、収支や生産性を分析したりできるもの。

今回のバージョンアップでは、登録時間誤差の解消、割増運賃を考慮したコスト計算、リアルタイムの人員配置状況把握、予算グループでの収支管理――といった機能を追加した。

従来のアプリでは、決められた業務開始(終了)時刻と実際に作業員が打刻する時刻に誤差があるため収支分析に影響が出ていたが、アップデートでこれを解消。時間外や深夜、休日出勤の割増賃金も自動計算できるようになり、時間外労働が多すぎる場合のアラートにも活用できるようになった。

また、大型センターや複数階のセンターで作業エリアごとの人員配置状況をリアルタイムに把握するシステムを開発。直前1時間の人員増減数が表示され、計画通りに人が移動しているかどうかを確認できるほか、作業者をグループ分けし、別グループからの応援人数なども把握できるようになった。

▲エリアごとの人数増減表示(出所:クランド)

予算管理の面では、任意の予算グループ別に収支実績をレポートする機能を追加。1つのセンターで複数の予算管理目標が存在する場合に、それぞれの保管料やリース代などの間接費も含めて「多角的で精緻な分析が可能」だという。

同社は今後、オーダー数予測支援、シフト管理支援、CSVデータ取り込みなどによるデータ連携の強化、複数拠点の横断比較――などの機能実装を検討しており、2年で500現場、5年で2500現場への導入を目指す。

テレワーク環境にも馴染みいい

クラウド型の現場業務可視化システムが登場して久しいが、自社物流でも営業倉庫でも一度試してみることをおすすめする。今から10年ほど前に筆者も設計・開発した経験があり、想定以上に便利で内外からの評判も良かった。

入荷から出荷までの日々ルーティンや在庫管理を基本メニューとして、あとは事業者それぞれに必要最低限の項目を選べばよい。製作者から提供される豊富な機能メニューをいかに引き算できるかが実用側のポイントとなる。

特に、顧客である荷主企業との情報共有に即時性や適時性を付加したい営業倉庫なら、リアルタイムでの作業進捗の可視化は非常に有効で合理的だと感じるはずだ。荷主側の閲覧環境に制約を設けなくてもよい点などはクラウドの強みの第一だろう。ネット環境があれば、簡易に閲覧可能で、かつ情報が共有できる。まさに現在の時勢にふさわしいといえる。(企画編集委員・永田利紀)