ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

東ト協、21年度SAS検査助成の受付開始

2021年4月12日 (月)

行政・団体東京都トラック協会(東ト協)は12日、2021年度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)スクリーニング検査の助成事業の詳細を発表した。同事業は全日本トラック協会(全ト協)と協力して実施しているもので、会員事業者の運転手がSASを自覚・改善することによって、交通事故を防止することが狙い。

健康保険適用外となっている同検査について、第1次・第2次検査の受診者1人につき、東ト協が定額1500円、全ト協が上限2500円を助成することで、最大4000円を助成する。NPO法人睡眠健康研究所、NPO法人ヘルスケアネットワーク、運輸・交通SAS対策支援センターで受ける検査が対象で、1社につき30人まで。再検査についても1人500円まで助成する。

検査の申込受付期間は12日から12月24日まで。助成金の請求期限は来年2月14日までとする。

血糖値スパイクや低血糖症の検査も有効

職業ドライバーの検診励行には大賛成だ。せっかくの助成ならSASと併せて、血糖値スパイクや低血糖症の検査にも積極的に取り組んでもらいたい。

読者諸氏も心当たりがあるかもしれないが、食後に激しい睡魔に襲われたり、眠るというより「気絶する」といった方が適当な症状が頻繁に現れる場合、まずは医師の診断を受けるべきだ。かなりの確率で、個人的な傾向ではなく「病気」との診断が下されるらしい。

昼夜を問わず運転席で孤独な業務に就くドライバーたちは、他者から見れば「異常」と判断できる状態に陥っていても、一時停止や休憩を促す声に無縁のまま目的地へと急いでいる可能性を排除できない。
「食後に異様な眠気を感じる」というドライバーの方々は、是非とも血糖値スパイクなどの検査を受けてもらいたい。

行政や業界団体も、会社を通してのヒアリングの促進と、補助による後押しに努めてほしい。居眠り運転や意識混濁による悲劇を未然に防止するためにも、早急な追加措置を求める。(企画編集委員 永田利紀)