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神姫バスが貨客混載本格化、コロナ客減補う狙いも

2021年5月28日 (金)

国内神姫バスはこのほど、兵庫県三田市で実証実験を展開していた貨客混載バスの運行を本格的に開始した。また新たに「実施可能な路線」へとサービスを拡大させる方針を打ち出した。

対象路線は、同社三田営業所が運行する路線バス「三田-小柿線」で、高平地区住民にとっては重要な交通手段である一方、近年の人口減で路線維持が課題となり、コロナ禍も重なって全社的にバス利用者が減少したことで、新サービスの創出が急務となっていた。

(出所:神姫バス)

JA兵庫六甲、生産者である「三田野菜・産直の会高平支店会」と連携し、路線バスで青果物を輸送するもので、1月19日からゴールデンウィークまで実証実験を実施。JA兵庫六甲は、高平地区での生産者の高齢化に伴う青果物の減少、直売所の「パスカルさんだ一番館」までの青果物の輸送手段を確保したり、午後からの品薄を解消したりすることを課題としていた。

また生産者は、青果物出荷のため直売所まで片道10キロを20分かけ自家用車で往復し、高齢化による運転への不安から「青果物を作りたくても作れなくなる」ことが課題だった。

同社の貨客混載事業は、生産者が前日にJA兵庫六甲高平支店へ出荷予約を行い、出荷数の調整を実施。当日は生産者が高平支店へ出荷物を持ち込み、バスへ積み込むと、高平小学校前停留所を11時2分にバスが発車、貨客混載で三田駅を経て、パスカルさんだ一番館最寄りの福祉保健センター停留所まで搬送。福祉保健センター停留所でパスカルさんだ一番館の担当者に出荷物を引き渡し、店舗で販売される——というもの。

混載の最大積載量は、浅型コンテナ10個分(床面に8個、座席に2個)までとし、実証実験では、車両は2台分の車いす固定スペースがある大型ノンステップバスで運行し、車いす1台分のスペースと、一部の座席に出荷物を積載していた。