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ヤマト「宅急便」大型サイズ枠新設、通販需要対応

2021年7月20日 (火)

ロジスティクスヤマト運輸(東京都中央区)は20日、「宅急便」のサービス内容をことし10月4日に変更すると発表した。宅急便に180サイズと200サイズを新設するとともに、規格外の荷物を扱う「ヤマト便」をことし10月3日の荷受け分をもって廃止する。消費スタイルの多様化に新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「巣ごもり需要」が重なり、宅配需要は急速に膨らんでいる。宅急便の対応サイズ枠を広げて大型な宅配商品に新たに対応できるようサービスラインアップを再構築することで、顧客サービスの向上につなげる。

ヤマト運輸はこれまで、宅急便の上限サイズを160サイズとし、それ以上の大きい荷物についてはヤマト便(3辺合計200センチまで、30キロまで)で取り扱ってきた。今回のサービスラインアップの変更で、180サイズと200サイズを新たに設定することで、従来ヤマト便では対応していなかった、クロネコメンバーズの割引制度や送り状発行サービス、配達時の時間帯指定や宅急便センターでの受け取りサービスを提供することができ、顧客サービスが相対的に向上する。

コロナ禍を契機とした宅配需要の増大により、EC(電子商取引)サイトなどで購入する商品の対象が、従来の書籍や生活雑貨など小型のものに加えて、米や農産品、家具・家電など大型化が急速に進んでおり、宅配各社が現場で対応に苦慮するケースも目立っていた。ヤマト運輸は、こうした大型荷物への対応を改善することで、荷主を含めた顧客囲い込みを図理、業界内での競合で優位に立つ戦略と言える。

今後、他の宅配各社もサービス内容の変更を検討する動きが広がる可能性もあり、大型の通販商品の配送を巡る競争激化の機運が高まりそうだ。

新設する宅急便サイズ枠の概要は以下の通り。従来のサイズ枠は変更なし。

【180サイズ】3辺合計180センチメートル以内、重量30キログラムまで、税込料金2400円〜(現金支払いの場合)
【200サイズ】3辺合計200センチメートル以内、重量30キログラムまで、税込料金2840円〜