ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

物流システム機器売上、3年連続5000億円超に

2021年9月1日 (水)

調査・データ日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は1日、2020年度における物流システム機器の生産出荷統計調査の結果を公表した。物流システム機器の総売上金額は前年度と横ばいの5714億300万円となり、3年連続で5000億円を超えた。消費スタイルの多様化や新型コロナウイルス感染拡大に伴う宅配ニーズの高まりに対応して、物流現場はさらなる業務効率化が求められている状況を反映し、物流システム機器の導入が高い水準で進んでいることを印象付けた。

JILSは、1985年より物流システム機器の生産出荷状況を調査。パレットや台車、コンベヤ、搬送機など26種類の機器を対象に調べた。2020年度の総売上金額は前年度比0.8%減の5714億300万円。売上件数は同5.5%増の13万8262件となった。全体的な傾向として受注額と出荷額の差が縮小しており、JILSは「機器メーカー各社の製品供給能力が整ってきたことで、拡大する受注案件への対応が進んでいる」と分析している。

業種別では「電機・精密機器」が34.0%を占め、次いで「卸・小売」(16.4%)、「その他製造」(15.8%)、「食品・医薬など」(14.4%)、「倉庫・運輸」(7.3%)となった。

総売上金額の推移 (出所:JILS)

各機種の売上金額動向をみると、物流現場で求められているシステムの方向性が分かる。自動倉庫が前年度比13.5%増の1364億3700万円、コンピューターは同16.9%増の407億4400万円と大きく数字を伸ばしたのに対して、仕分け・ピッキング系は同34.3%減の253億2700万円に、回転棚・移動棚も同19.8%減の177億7900万円と大きく減少した。台車系は同1.0%増の1310億8800万円、コンベア系は同1.2%増の1356億1200万円、棚(重量棚・中軽量棚・流動棚)は同0.4%増の322億600万円、垂直搬送機は同1.2%減の129億4500万円といずれも横ばい。パレタイザ・デパレタイザは同6.0%減の141億5200万円だった。

物流現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)化による業務効率策として、自動倉庫への関心が高まっている。今回の調査でも、同様の傾向が見て取れる。