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日本GLP、相模原の物流施設開発PJ第1弾が完成

2021年9月24日 (金)

▲GLPアルファリンク相模原1の外観

拠点・施設日本GLPは24日、相模原市中央区で進めていた物流施設「GLP ALFALINK(アルファリンク)相模原1」の建築工事が完了したと発表した。日本GLPが展開する物流施設プロジェクト「GLP ALFALINK相模原」の最初の完成施設となる。地元拠点のギオン(相模原市中央区)をはじめ、佐川急便(京都市南区)や西濃運輸(岐阜県大垣市)など10社を超える企業が入居を決めている。リニア中央新幹線の新駅が設置されるなど、交通の要衝として発展を見込める相模原の巨大な開発プロジェクトがその姿を現した。

GLPアルファリンク相模原プロジェクトは、アルファリンクブランドの統一コンセプトである「オープンハブ」(物流をもっとオープンに)、「インテグレイティッドチェーン」(サプライチェーンをつなぐ)、「シェアードソリューション」(ビジネスの進化をサポート)の3つのキーワードを踏襲。物流サービスや就労環境を提供する仕様としたのが特徴だ。

▲上空から見たGLPアルファリンク相模原(出所:日本GLP)※クリックで拡大

GLPアルファリンク相模原1は、オープンハブのコンセプトを強く反映した仕様とし、施設従業員だけでなく地域住民にも門戸を広げた施設運営を展開する。その象徴が、施設中央部に配置した環状デザインの共用施設「リング」。カフェやコンビニエンスストア、カンファレンスルーム、託児所、シャワールームなどを用意。回廊やペデストリアンデッキで各棟を接続することで、歩車分離型の安全で快適な移動を実現する。コンセプトテーマである「つなぐ」を意識し、施設の枠を超えた交流機会の創出につなげる。

施設面では、サプライチェーンを統合することができる構造とした。ターミナル機能を設けて複数企業のオペレーション連携を促進し、効率化を図るほか、工場用途としての活用などを含めて多機能な倉庫スペースを提供することにより、入居企業のサプライチェーン統合を支援する。

交通アクセスもGLPアルファリンク相模原1の強みの一つだ。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)のインターチェンジを経由し、東名・新東名高速道路をはじめとする主要道路を介して首都圏を中心に東海・甲信越への広域アクセスも良好な立地だ。首都圏を中心とする配送拠点として便利な立地だ。近隣は新興住宅地が広がり、鉄道アクセスも至便なことから、従業員確保の観点でも優位性が高い。さらに、リニア中央新幹線の新駅設置による交通要衝の機能が一段と高まり、今後の成長ポテンシャルは極めて高い。

▲日本GLPの帖佐義之社長

日本GLPの帖佐義之社長は、GLPアルファリンク相模原の中核の一つに位置付けるGLPアルファリンク相模原1の完成について、「ここで創造される新たな価値や機会を通じて、入居企業のさらなるビジネス拡大と成長を支援できることは意義の大きいことだ。立地の良さや広大なスペースから生まれる共創の機会、そしてアルファリンクのコンセプトへの賛同に感謝している」と話している。入居企業からも、3温度帯の荷物取り扱いやロジスティクス機能の強化、女性の雇用促進などの機会につなげていく方針を明らかにした。

GLPアルファリンク相模原は、敷地面積67万3437平方メートル、敷地面積29万4455平方メートルと首都圏最大級の規模を有する物流施設開発プロジェクト。2020年に着工し、2023年中に計画する4棟を完成させる予定だ。

「GLP ALFALINK相模原1」の概要
所在地:相模原市中央区田名字赤坂3700-1
敷地面積:13万6660.85平方メートル
延床面積:33万1343.48平方メートル
構造:免震・鉄筋コンクリート造、地上5階建て(一部6階建て)
着工:2020年2月

全国最大級のホットスポット「相模原」で日本GLPのコンセプトは花開くか

日本GLPの首都圏戦略が鮮明になっている。9月16日には千葉県流山市の「GLP ALFALINK流山」プロジェクトの中核施設となる4棟目が完成。続いて、今回の「GLP ALFALINK相模原」プロジェクトの最初の施設が出来上がった。首都圏の東西で物流施設のホットスポットに大規模施設をぶち上げる日本GLPは、面積の広さや立地だけでなく、「まちづくり」という明確なコンセプトで物流施設の進出を加速している。

日本GLPは、物流施設開発の領域で圧倒的な存在感を示している背景には、このコンセプトの明確化がある。地域密着という概念を超えて、街そのものを施設内に生み出す発想は、物流施設が長年抱えてきた人手確保や地域共生などの課題と向き合う強い意思を示している。

アルファリンクを、物流が社会を支えるインフラであることを認知してもらう装置としても機能させることで、物流業界全体のイメージや従業員のプライドを確保する壮大な取り組みが、全国で最もポテンシャルの高いエリアの一つである相模原で開花しようとしている。

流山プロジェクトを含めて、日本GLPのこうしたコンセプト重視の物流施設開発は、物流業界のイメージだけでなく実効的な機能向上につなげることができるか。今後の動向を注視したい。(編集部・清水直樹)