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富士通、船舶衝突リスクの高精度予測技術を開発

2021年9月28日 (火)

サービス・商品富士通は28日、湾内など航路が複雑な海域における船舶衝突リスクを高精度に予測するAI(人口知能)技術を、国内で初めて確立したと発表した。2020年11月からことし9月まで、海上保安庁と共同で実施した実証実験契約により、海上交通管制業務の有効性を確認するとともに、過剰なアラートを90%抑制し、管制業務の負荷を軽減した。

船舶の位置やスピード、向きなどのデータを学習したAIが算出する従来の衝突リスク予測に、航行中の船舶が航路に沿っている度合いを算出する新たなアルゴリズムを加えて、衝突リスクをより高精度に予測する。航路に沿った進路変更などを危険な操舵と検知することなく、船舶の衝突リスクが高いアラートのみを検知可能にする。

(出所:富士通)

東京湾海上交通センターで実施した実証実験では、特にアラートが多発する屈曲部を含む航路において、本来は検出不要なアラートを90%抑制。対象船舶の早期認知や衝突回避のための迅速な初動対応を支援するとともに、管制業務における負荷だけでなくヒューマンエラーも低減した。

富士通はこれらの実証実験の成果を踏まえて、22年3月までに安全航行支援サービスの提供開始を目指す。船舶サイズや船種などの特徴や、過去の航行実績データをビッグデータ解析し、船舶が航路に沿っているか否かを定量評価するアルゴリズムを搭載したサービスも、23年9月までに提供する。