調査・データワイズコンサルティンググループ(台湾)は29日、台湾物流業界における企業間連携の実態を分析したインサイトレポート「ライバルと組む裏側 台湾物流業界の相互補完モデル」を公開した。台湾の倉庫業者30社とフォワーダー業者30社への独自調査を基に、人手不足や運営コスト上昇への対応として広がる「持たない経営」の実態をまとめた。
調査では、倉庫業者の73%、フォワーダー業者の77%が同業他社との提携に前向きと回答した。台湾では、自社だけで設備や人員を抱え込まず、自社の対応範囲外の案件が発生した場合は同業他社に依頼して外部リソースを活用し、固定費を抑える「持たない経営」が定着しているという。互いの得意分野を補完することで、単独では受注できない案件を獲得する事業環境が形成されている。
レポートでは、物流業界における提携先が同業他社にとどまらない点にも注目した。例えば、事業転換によって生じた食品・薬品メーカーの空きスペースを借り受け、ISO22000やGDPなどの認証を活用することで、自社で新たな設備投資を行わずに高い品質管理要件を満たす事例を紹介した。また、漁獲量減少で稼働が落ちた漁業メーカーの冷凍倉庫を一般倉庫として間借りし、自社の新たなインフラとして活用する事例も紹介している。
同社によると、調査は日系企業から寄せられた人手不足に伴う提携先探しの相談をきっかけに実施した。台湾市場では、すべての機能を自社で保有するのではなく、同業他社や異業種との連携によって不足する機能を補完し、コア業務へ経営資源を集中させることが、人材不足やコスト上昇への有効な対応策になるとしている。
レポートは、台湾市場への進出やサプライチェーンの再構築を検討する企業に向け、初期投資や採用負担を抑えながら事業を展開する手法として、企業間の分業ネットワーク活用を提言している。
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