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NEC、作業員の関与減らせるピッキングロボ開発

2021年10月1日 (金)

サービス・商品NECは1日、物品をピッキングして指定のトレイへ運ぶ作業におけるロボット導入のハードルを下げることで、作業の生産性を大幅に向上できる技術を開発したと発表した。

操作者が運びたい物品をタブレット画面の映像から指定するだけで、ロボットが物品をあらかじめ指定されたトレイに収める。従来、ロボットがピックアップする物品を認識するために時間を要していた物品情報の事前登録を省略できる。ロボットアームの動きはNEC独自のAI(人工知能)が自動で準備するため、ロボット操作の熟練者でなくてもすぐにロボットの利用を開始できる。

(出所:NEC)

こうした作業をロボット化する手段として、作業者が目の代わりとなってロボットを遠隔操作する遠隔操作ロボットが注目を集めている。世界市場規模は2019年で199億円、27年には868億円に拡大すると予想されている。しかし、従来の遠隔操作ロボットは、カメラ映像を見ながらゲームコントローラなどを利用してロボットの手先を操縦するため、手先位置の微調整や衝突回避など操作者にスキルが必要だった。さらに、操縦者が一台のロボット操作にかかりきりになるため、一人一台の操作が限界であり、作業効率向上が課題だった。

NECは、操作者がタブレット画面の映像から運ぶ物品を指定するとロボットに物品の把持位置を通知するUIシステムを新たに開発。人の介在が必要なのはロボットに作業指示を与える数秒間だけで、操作者一人が複数台のロボットを同時並列操作でき、作業効率の大幅な向上が可能だ。現場作業のリモートワーク化を促進し、今後、時間や空間の制約を超えたフレキシブルな働き方の浸透に貢献する