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CBRE予測、22年物流不動産市場はタイトな需給続く

2021年12月16日 (木)

(イメージ)

調査・データシービーアールイー(CBRE、東京都千代田区)は15日、2022年の不動産マーケット動向をまとめた。4大都市圏の物流マーケットは健全な成長が続くと分析している。

物流不動産マーケットは拡大を続けており、4大都市圏の大型マルチテナント型物流施設のストック面積を07年と比べると、21年に7.5倍、23年には10倍に拡大するとみている。

大型マルチテナント型物流施設のストック面積は、4大都市圏の空室率が大きく低下した後の2013年頃を起点に、拡大ペースが加速。背景には11年3月の東日本大震災がある。倉庫の被災により商品のサプライチェーンが途切れた影響を大きく受け、大型マルチテナント型物流施設の空室率は11年に急低下。建物に対する安全性を考慮するようになったこととともに、保管容量を高める機運が高まり、大型マルチテナント型物流施設の需要は飛躍的に伸びた。

以降、EC(電子商取引)サービスの拡大や物流の効率化ニーズが需要を牽引し、豊富な新規供給量にもかかわらず、4大都市圏の空室率は下がり続けた。さらに20年の新型コロナウイルス感染拡大で空室率はさらに低下。外出自粛の傾向が強まるなかでEC利用が一段と浸透したことやサプライチェーンの寸断により、保管量増や物流網の拡充といった物流戦略の再構築を迫られた。こうした動きは、多くのデベロッパー・投資家の物流不動産への参入を促進した。

21年に入るといわゆる「コロナ特需」は一段落したものの、依然として需給バランスはタイトな状況にある。とはいえ、新規供給は今後も従前とほぼ同様の成長率で増加する見通しであるため、「中期的には需給バランスは若干緩む」(CBRE)と分析。特に中部圏においては、大量供給の影響で空室率が大幅に上昇する見通しだ。一方、供給が限定的な近畿圏や、市場としての成熟度がもっとも高い首都圏においては、需給の大きな緩みはない見込みだ。