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KDDIなど、5G自動配送ロボによる公道配送を実証

2022年2月9日 (水)

調査・データKDDIやティアフォー(名古屋市中村区)などは9日、高速通信規格「5G」(第5世代移動通信システム)を活用した自動配送ロボットによる公道での配送実証実験に取り組んでいると明らかにした。実験は1月22日に東京・西新宿エリアでスタート。公道配送の実証は国内で初めて。自律走行を遠隔地で監視・操作するなど、ラストワンマイルにおける効率的で安全な配送の実現を目指す。

実証実験は、ティアフォーとKDDIのほか、損保ジャパン、小田急電鉄、川崎重工業、ホテル小田急(東京都新宿区)、公園財団(東京都文京区)の7つの企業・団体が参加。5Gの重点整備エリアのひとつでもある西新宿エリアを会場に、自動配送ロボットに自動運転ソフトウェアを搭載することで、5Gを活用した遠隔監視による技術面や運用面、事業面の観点でサービスの有効性を検証する。

1月22日にホテル「ハイアットリージェンシー東京」から出発した実験では、ロボットによる安定した自動走行により、ホテルサービスの飲食物を、到着地である新宿中央公園付近まで、荷崩れなく配送することができた。

▲実証実験の様子

体験者からは「(これからは)温かいまたは冷たい(といった温度に合わせた)飲食物が配送できると、より魅力アップにつながる」「飲食物以外の重たい荷物の配送や、人が出入りしづらい場所への配送に役立つ」といった、今後のユースケース拡大につながる有意義な意見が寄せられるなど、高い評価を得たという。

加えて、KDDI新宿ビル付近から東京都庁付近までのルートを走行した実験では、ロボットの社会実装を見据えたサポートサービスの検証として、自動運転する上での危険シナリオの洗い出しや専用保険、災害発生時などを想定したトラブルサポートや情報配信サービス提供の検証を行った。

超高齢社会を迎える日本では、高齢者人口の増加やドライバー不足などが社会課題となっており、ラストワンマイル配送のさらなる効率化が求められている。7つの企業・団体は「自動配送ロボットによる新たな配送サービス事業の実用化に向けた課題について、技術面・ 運用面・事業面でのさらなる洗い出しと対応方針の策定を行い、社会課題の解決やスマートシティの実現に向けて貢献していく」として、早期の社会実装を目指す方針を明らかにした。

▲実証実験の様子