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セイノー、千葉県勝浦でドローン配送実証実験

2022年2月15日 (火)

(出所:セイノーホールディングス)

国内セイノーホールディングス(岐阜県大垣市)は15日、千葉県勝浦市で、地域課題の解決に貢献するスマート物流の構築に向けたドローン配送実証実験を実施したと発表した。同市の商店街の商品を地域の施設に届けることで、「買い物難民」問題の解決や商店街の活性化を目指していく。

同社によると実証実験は9~11日、エアロネクスト(東京都渋谷区)とNEXT DELIVERY(ネクストデリバリー、山梨県小菅村)とともに、同市商工会と住友商事(東京都千代田区)の協力のもと、同市内で実施。

同市の商店街の商品を、別荘地や大学、小学校、寺、民宿、漁港など、地域の施設に届けることで、買い物難民問題の解決と共に商店街の活性化を目指す「地域商店街との密着型ドローン物流」のモデルケースを築く目的で行われた。

同市は千葉県南東部に位置し、総人口1万6386人(2021年12月末現在)の同市は、海域公園と海岸部には南房総国定公園に指定されるなど観光都市やリゾート地としても知られている。

一方、高齢化が進み、かつて栄えた商店街や観光業の衰退の危機に直面している。そうした背景から、買い物難民問題の解決と共に商店街の活性化を目指し、ドローン物流への住民の理解度向上、定期飛行に向けた課題の洗い出しを目的として実証実験を実施することとなった。

▲国際武道大学のサッカー場に届けられた食料(出所:セイノーホールディングス)

実証実験では、地域商店街の食料品や日用品の詰め合わせセット、勝浦タンタンメンやお寿司といった出前セット、災害時備蓄品を、仮設の2か所のドローンデポ(小型の物流拠点)から、別荘「ミレーニア勝浦」、国際武道大学、豊浜小学校といった、6カ所の仮設ドローンスタンドまでの往復1.6km~4.6kmの距離を、ドローン(雨天時はトラック)で届けた。

9日には、国際武道大学のサッカー場で練習中のサッカー部員に向けてバナナなどの食料を、ラグビー場には学生向けの食料・日用品セット、市役所の災害時備品・備蓄食料がドローンで届けられた。また、豊浜小学校の生徒たちには、バレンタインデーのチョコレートがドローンで届けられ、生徒たちから大きな歓声があがった。

▲ドローンで届けられたタンタンメンを食する様子(出所:セイノーホールディングス)

11日には「勝浦タンタンメンセット」が5分間で興津集会所からミレーニア勝浦管理センター前までの片道1.7kmをドローン配送し、お客の手に熱々の状態で届けられる様子がメディアに公開された。

その後、ミレーニア勝浦の住民に向けて食料・日用品セットの配送やフードデリバリーを行い、多くのお客が楽しんだ。

実証後は、商店街に荷物を集約化するドローンデポを設置するとともに、新スマート物流における勝浦モデルを構築し、ドローン配送と陸上配送を組み合わせた荷物配送、買物代行、域内配送、フードデリバリーといったサービスの検討を開始する方針。

セイノーHDは「今後も、地域物流を効率化、活性化する、新しい社会インフラの整備を推進することで、勝浦市における地域の活性化に寄与していく」とコメントしている。