
▲敦賀湾上を飛行する物流専用ドローン「エア・トラック」(出所:セイノーHD)
ロジスティクスセイノーホールディングス(HD)は29日、ドローン配送サービスを手掛けるNEXT DELIVERY(ネクスト・デリバリー、山梨県小菅村)などと協力し、福井県敦賀市でドローン配送の実証実験を行ったと発表した。交通弱者らへの買い物支援のための配送を想定しており、同市内で今秋中の実用化を計画している。
発表によると、今回は本年1月に続く2回目の実験だ。両社と敦賀市、フードデリバリーの出前館が共同で8月26日に実施。同市の赤レンガ倉庫にある店舗の料理や飲み物を、金ヶ崎緑地から東浦公民館までの片道7.8キロ、ドローンで運んだ。東浦地域に住む交通弱者らへの買い物支援や、観光施設との連携を想定した。

▲金ヶ崎緑地ボードデッキでテイクアウト商品が入った箱をドローンにセットする
当日はまず、東浦の住民が出前館アプリでテイクアウト商品のオードブルとプリン、アイスコーヒーを注文し、同倉庫内の飲食店がそれを調理し、出前館のスタッフがドローン離陸場所である金ヶ崎緑地ボードデッキまで徒歩で配達した。続いて商品がドローンにセットされ、東浦公民館までを16分で飛行、搬送した。商品はこぼれたり崩れたりすることなく、無事東浦公民館で待つ住民の手に届けられた。
この実験では、ネクスト・デリバリーの親会社で産業用ドローン開発会社のエアロネクスト(東京都渋谷区)が開発した物流専用ドローン「エア・トラック」を使った。注文情報などのやり取りには「スカイハブ」と呼ばれるシステムを用いた。セイノーHDとエアロネクストが開発した、ドローン配送と陸上輸送を融合したシステムだ。
セイノーHDや敦賀市などは今秋、同市愛発地区でスカイハブの実用化を計画している。荷物を集約・一時保管する拠点や、ドローンの複数の着陸地点を設置し、地上配送とドローン配送を組み合わせた買い物代行サービスを準備している。