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車輪脱落事故防止に、ホイール・ナット整備徹底を

2022年2月21日 (月)

▲車輪脱落事故を起こした車両のワッシャー付ホイール・ナット(出所:国土交通省)

行政・団体大型車の車輪脱落事故が後を絶たない。国土交通省は、最近の大型車の車輪脱落事故において、適切な点検・整備がなされていない事例が見られていることから、タイヤ脱着の際には、劣化したホイール・ナットを必ず交換するなど点検・整備を徹底するよう呼びかけている。冬型の気圧配置が続く影響で、22日にかけても大雪への警戒が必要な地域もあり、いまいちど足元を見直したい。

同省によると、大型車の車輪脱落事故は、2020年度には131件、21年にはことし1月末までに107件(速報値、20年度はことし1月末までに113件)と、依然として発生している。

大型車の車輪脱落事故は、大事故につながりかねない大変危険なものとして、同省では、関係機関と連携し、大型車のタイヤ交換作業の徹底にかかわる周知・啓発活動や街頭検査でホイール・ナットの緩みの確認を行うなど、事故防止策に取り組んでいる。

「自動車の点検及び整備に関する手引き」では、大型車のタイヤ脱着時のホイール・ナットの清掃や潤滑剤の塗布、ホイール・ナットが円滑に回るかの確認などについて規定されているが、最近の大型車の車輪脱落事故では、これらの点検・整備が適切に行われていない事案がみられている。

▲潤滑剤の塗布箇所(出所:国土交通省)

円滑に回らないホイール・ナットを使用してタイヤを取り付けると、ナットが本来あるべき位置まで締まらず、十分な締結力が得られないため、走行中にナットが緩み車輪が脱落するおそれがある。

このため、大型車のタイヤを脱着する際は、ホイール・ナットを清掃した上で、ナットとワッシャーの間を含めて適切に潤滑剤を塗布するとともに、劣化したホイール・ナットは必ず交換するよう呼びかけている。

同省はまた、大型車の車輪脱落事故防止対策をさらに進めるため、「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る調査・分析検討会」を設置。ホイール・ナットにかかわる要因を含め、車輪脱落事故の要因のさらなる調査・分析等を行うとしている。