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血液検体を常温便で輸送、ベンチャー2社が実証

2022年3月11日 (金)

(出所:ツインカプセラ)

調査・データJAXAの小型回収カプセル開発メンバーが設立したツインカプセラ(茨城県つくば市)と、血中タンパク質分析によるリスク早期発見手法を研究開発するaiwell(アイウェル、東京都千代田区)のスタートアップ2社は、取り扱いが難しい血液検体を常温宅配便で輸送する実証実験に成功した。今後ニーズが高まると予想される血液検体の宅配輸送について、実現・普及に向けた最適化・効率化の課題解決につながる成果として注目を集めそうだ。

今回の実証実験は、アイウェルの微量採血キットで採取した血液検体を、ツインカプセラが開発中の小型・超高性能断熱保冷容器に入れ、常温宅配便による保冷輸送を実施した。ツインカプセラが検体の周辺の温度をリアルタイムでモニタリングし、取得したデータから庫内温度維持の性能を検証。輸送された血液検体はアイウェルによって正常に分析され、検体に異常は認められなかったことから、常温宅配便でも精密な温度維持が可能であるとした。

血液検体中のタンパク質は温度変化の影響を受けやすく、正確な分析を行うために採血後の検体を輸送する際の温度管理が課題となっていた。両社は今回の実証で使用したツインカプセラの保冷容器が血液検体の保冷輸送手段として有効であることを示唆する結果を得られたと判断。血液輸送全般に対応できるサービスの創出につなげていく。