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凸版が開発、位置計測高度化で現場作業精度を向上

2022年3月15日 (火)

サービス・商品凸版印刷は14日、超広帯域無線通信(UWB)を活用した高精度な位置情報で物流などの現場作業を可視化する「ID-Watchy(アイディーウォッチー)UWB版」を開発し、ことし5月に食品業界や製造業などに向け販売を始めると発表した。例えば1メートル間隔で左右に位置する棚などの間を移動しながら作業をする現場従事者が、どの場所のどちら側でどれだけ作業をしていたか正確に把握することができ、精度の高い作業量の見積もりや作業計画が可能になる。

同社が2017年10月から参画する農林水産省の委託プロジェクト研究である人工知能未来農業創造プロジェクト「AIを活用した栽培・労務管理の最適化技術の開発」の研究を通して、UWB技術の活用に向けたサービスの実証実験を21年7月から10月まで実施し、その効果を確認。アイディーウォッチーのUWB版をラインアップに追加することにより、導入企業は用途や条件、費用などにあわせて従来のアイディーウォッチーBluetooth(ブルートゥース)版と今回のUWB版から最適な選択が可能になる。

▲アイディーウォッチーUWB版サービスのイメージ(出所:凸版印刷)

長時間労働の問題が深刻化するなかで、物流などの現場における作業員の作業管理が課題となっている。労働時間削減を実現するために現場作業の効率化が求められるとともに、現場作業に不慣れな作業員に効率よく教育していくことも求められている。

(出所:凸版印刷)

凸版印刷はこれまでIoTを活用し、Bluetooth技術による位置情報とネットワークカメラ映像を組み合わせた作業管理サービス、アイディーウォッチーを提供。製造現場などの安全性やセキュリティーの観点で、各作業員の位置情報や作業状況を手軽に把握・管理するシステムとして複数の採用実績があり、製造現場などの人員の最適配置や生産性の向上に貢献している。

現行のアイディーウォッチーの場合、Bluetoothでは電波測定誤差が最大で1メートルから2メートル程度まで生じるため、高精度な計測を必要とする場合には適していなかった。UWB技術を採用することによって、電波測定誤差を10センチから20センチ程度までに縮めることで正確な計測が可能となる。より詳細な作業場所を計測することができ、作業の単純化・平準化・最適配置を実現する。