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日本郵船、LPG・アンモニア運搬の大型新船導入へ

2022年4月18日 (月)

荷主日本郵船は18日、LPG(液化石油ガス)も燃料として使用できる二元燃料エンジンを搭載した大型LPG・アンモニア運搬船VLGC(ベリー・ラージ・ガス・キャリア)の建造を、川崎重工業へ発注したと発表した。VLGCは川崎重工業の坂出工場(香川県坂出市)で建造され、2024年の完成を予定している。

VLGCは、二元燃料エンジンを搭載した、大型LPG・アンモニア運搬船シリーズの3隻目。2隻目までと同じく、LPGのほかにアンモニアを積載することが可能。多様なトレードパターンに柔軟に応えるため、貨物タンクごとにLPGとアンモニアを分けて相積みにすることもできる仕様が特徴だ。アンモニアは化学原料や肥料原料として使用されるだけでなく、燃焼時に二酸化炭素を排出しない将来のゼロエミッション燃料として注目されている。

VLGCは、LPG二元燃料エンジンに加えて軸発電機を採用。航海中に主機からプロペラにつながる軸の回転を利用して発電することにより、通常航海中のディーゼル発電機稼働を停止することができることから、少量のパイロット燃料の使用を除いて完全LPG燃料航行を実現することが可能だ。

(出所:日本郵船)

LPGを燃料として使用する場合は、当社の燃料油焚きの従来船に比べて排気ガス中の硫黄酸化物を95%以上、二酸化炭素を20%以上削減できる。将来的にアンモニア燃料を使用するために日本海事協会が発行するガイドラインに従った準備設計を実施したVLGCとして、船級符号が付与される見込みだ。

■VLGC新造船の概要
全長:230.00メートル
型幅:37.20メートル
深さ:21.90メートル
夏期満載喫水:11.65メートル
積載容量:8万6700立方メートル