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日立製作所が日立物流をKKRに売却へ

2022年4月21日 (木)

(イメージ)

M&A日立製作所は21日、グループの日立物流を米大手ファンドのKKRに売却する方針を固めた。日立製作所は日立物流株式の4割を保有する筆頭株主。日立製作所は出資比率を1割程度に引き下げる見通し。

KKRは優先交渉権を得て6000億円を投じて日立物流を買収する見通し。日立物流は上場廃止となる予定だ。日立製作所はこのたびの日立物流の売却により、グループ再編をほぼ完了させるとともに、IT(情報技術)に経営資源を集中させる。

KKRは日立物流のTOB(株式公開買い付け)などに着手。KKRのTOB実施に日立製作所と日立物流は賛同する見通しで、日立製作所はTOBとは別にKKRに保有株を売却するとみられる。KKRの優先交渉権は28日までで、同日までの合意を目指すが、ほかの投資ファンドもこれまで買収交渉の意思を示していることから、交渉が最終的にKKRでまとまるかは未だ不透明だ。日立製作所はKKRの買収後も1割の株式は保有し、物流システムなどでの協業は継続する。

日立製作所は多角化経営を繰り広げて世界有数の総合電機メーカーとしての地位を確立したものの、2009年3月期に7873億円の連結最終赤字を計上。経営再建に向けて、ITを軸とした事業領域の転換を進めてきた。その過程で、日立化成や日立金属など「御三家」と呼ばれた上場子会社も売却対象になった。

日立物流は荷主企業の物流業務を一括受託する3PLの国内最大手。日立物流は2016年に佐川急便を傘下に持つSGホールディングスと経営統合を視野に資本・業務提携を決めたが、20年に統合を見送っていた。