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ブロックチェーンでニセ高級酒なくせ、SBI

2022年4月26日 (火)

荷主高級酒を買ったら中身は安酒……(涙)。こんな偽物被害をなくそうと、ブロックチェーンとICタグを組み合わせた新サービスが登場した。第一弾として、政府の晩餐会で国賓やVIPに振る舞われる高級日本酒「梵(BORN)」への採用が決定。日本の酒文化を守る取り組みとして、期待を集めそうだ。

このサービスは、様々な商品の生産から消費までの過程を追跡する「トレーサビリティ」の専門会社SBIトレーサビリティ(東京都港区)が事業化した。同社の改ざん防止サービス「SHIMENAWA(しめ縄)」を酒向けに商品化。しめ縄は、ブロックチェーン技術の一つ「Corda(コルダ)」と、自動認識システム開発会社サトー(同区)の通信機能付きICタグ(NFC/RFID)を組み合わせたものだ。

次のような仕組みとなる。消費者が店頭で日本酒を買う直前に、瓶に付いたICタグにスマートフォンをかざすと、無線でブロックチェーン上の記録と突き合わせ、本当に「未開封」かどうか確認する。中身を安酒に入れ替えた偽物の場合、外見は封をされていてもスマホには「開封済」と表示され、見分けられる。未開封の真正品を購入して自宅で瓶を開封した後、再びタグにスマホをかざすと、ブロックチェーン上の記録が「開封済」に更新される。スマホによるこうしたチェック行為は、情報として逐一ブロックチェーンに蓄積され、真正性の証明に役立てられる。



▲SHIMENAWAのサービスイメージ(出所:SBIトレーサビリティ)

サービスの採用第一弾となったのは、「梵・超吟(BORN Chogin)」「梵・夢は正夢(BORN Dreams Come True)」の2銘柄。いずれも1本1万円以上する(税込、720〜1000ミリ・リットル)。酒蔵は162年の歴史を持つ福井県鯖江市の加藤吉平商店。梵ブランドも海外で偽造品が見つかり、酒蔵や愛好家たちを悩ませていたという。


▲「梵・超吟(BORN Chogin)」(左)と「梵・夢は正夢(BORN Dreams Come True)」(出所:SBIトレーサビリティ)