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JR東が砕石輸送専用気動車を開発、23年度より運用

2022年5月16日 (月)

▲GV-E197系電気式気動車(出所:JR東日本)

ロジスティクス東日本旅客鉄道(JR東日本)は13日、砕石輸送用の電気式気動車(ディーゼル車)「GV-E197系」を新たに製造したと発表した。線路のレールや枕木の周辺に敷く砕石の輸送を効率化することで、線路管理の最適化による列車運行のさらなる安全性確保につなげる。

これまでは機関車を使って実施していた輸送業務を気動車に置き換えることで、機関車の老朽化対策と現場業務の最適化を「一石二鳥」で実現する狙いがある。

非電化区間でも運行できるようディーゼル車として開発。量産タイプ製作に先立ち新技術など試験・確認する「量産先行車」を製造。性能試験を経て2023年度より順次、運用を開始する予定だ。

砕石を載せる「ホッパ車」と呼ばれる専用車両を含む6両編成を6編成と、けん引用車両を2両製造する。従来は機関車にホッパ車を連結して砕石を輸送していたが、編成の前後に運転台のある気動車とすることで、方向転換時の機関車の付け替え作業を省けるほか、安全性も向上し効率的な輸送業務が可能になる。

車両メンテナンスについても、機関車特有の複雑な構造から最新型の電車や気動車と同様のスタイルに改めることで省力化を促す。最高時速を100キロと設定し、機関車による運行と比べて高速化も実現する。

また、車両の入替作業や回送車両のけん引などに活用する交直流電車「E493系」の量産先行車を新造したと発表した。こちらも従来の電気機関車による運用を置き換えることで、業務の効率化を図る狙いだ。