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WMS導入しても半数超が活用不十分、開発会社調査

2022年6月21日 (火)

(イメージ)

調査・データシステム開発のダイアログ(東京都品川区)は20日、倉庫管理の情報システム(WMS=Warehouse Management system)を導入している倉庫業の経営者や現場責任者に対して行ったWMS活用に関する実態調査の結果を発表した。回答者の56.0%が業務の効率化を実感している一方、十分に活用できていない回答者も半数以上に上ることがわかった。

調査は6月6日から3日間、同社のWMS「W3 mimosa(ミモザ)」のユーザー企業の102名に対してインターネットを通じて行った。「WMSの活用により業務の効率化・改善が進んだか」と質問に、「非常にそう思う」が23.6%、「ややそう思う」が32.4%と、計56.0%が肯定的な回答をした。「あまりそう思わない」は17.6%、「全くそう思わない」は3.9%だった。

次に「勤務先でのWMSの定着度合いは」と質問したところ、「全ての機能を使いこなしている」は16.7%にとどまり、「全ての機能ではないが使っている」が39.2%、「データを入力するのみ」が7.8%、「現在何も利用していない」が5.9%だった。同社は「半数以上がWMSを十分に活用できていない」ことを重視している。

上記の密着度合いの質問に「全ての機能を使いこなしている」「わからない/答えられない」以外の回答をした54人に、「WMSで今以上の機能を活用することが難しいと思う理由」を複数回答で質問した。回答は「使いこなすのに時間がかかる」が40.7%、「WMSと実際のデータとの整合性が合わせづらい」が37.0%だった。同社は、4割以上が使いこなすのに時間がかかると回答した点を強調している。

同じ54人に、「WMSの活用が難しいために生じている業務課題」を複数回答で質問したところ、回答は「通常業務に対する適切な人繰りができない」が37.0%、「データと事実の差がある場合の原因発覚に時間がかかる」が27.8%、「作業計画が柔軟に変更できない」が24.1%だった。「スムーズな業務指示ができない」22.2%、「繁忙期に合わせた適切な人員配置ができない」も20.4%あった。

同社は調査結果を次のように総括している。WMSを導入することで多くの企業が業務効率化を実感していることは確か。その上で、十分に活用できておらず、適切な人繰りやトラブル発生時の原因追及などに課題を抱えている企業も多い。より効果的な経営改善を実現するためとして、「人繰りや作業計画、入荷人数の変更などの現場の業務の見える化ができるシステムが求められている」と結論づけている。