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NTTデータとSAP、輸送荷物の監視技術を共同開発

2022年7月12日 (火)

ロジスティクスNTTデータ(東京都江東区)は12日、ソフトウエア開発企業で独SAPグループのSAPアジア・パシフィック・ジャパン(シンガポール)と共同で、輸送中の荷物の状態をリアルタイムに監視するシステム「コネクテッド・プロダクツ」を開発したと発表した。両社は「海運貨物輸送とそのリスク管理方法を大きく変える可能性がある」としている。

システムは輸送中の貨物の位置と輸送状態を監視するソリューション(解決策)。IoT(モノのインターネット)センサーを用いて温湿度などの輸送状況に関する様々なデータをリアルタイムに監視し、輸送中の温湿度の変化や貨物の傾きといった情報を関係者全体に送信する。

特にソーラーパネルなどの壊れやすいもの、ワインやオリーブオイルなど包装されないバルク輸送の液体、チーズや医薬品、ワクチンなどの温湿度管理が必要な品物の追跡に有効という。サプライチェーン全体を可視化し、貨物の破損や遅延にも迅速な対応が可能になる。

▲ソリューションの活用イメージ(クリックで拡大、出所:NTTデータ)

システムの活用で貨物保険との関係が大きく変わる。従来の貨物保険への加入や保険金の請求などの手続きの負荷が軽減される。輸送状況を逐一監視することで、貨物に影響を及ぼす可能性がある変動要因をとらえ、貨物が事前に定められた条件で輸送されていない場合は、自動的に保険の適用対象となる。利害関係者間の責任範囲を明確にし、輸送保険の管理をさらに容易にする。一連の手続きが簡素化され、保険会社、保険再販者、物流会社の関係企業全体のコスト削減となるという。